『ドライブ・マイ・カー』三浦透子、新人俳優賞受賞「もっと大きな人間になりたい」
第45回日本アカデミー賞
『ドライブ・マイ・カー』の演技で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した三浦透子が11日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた授賞式に出席。受賞の喜び、感謝を述べると共に「一人でももっと大きなことができるように、もっと大きな人間になれるようにと今日あらためて思いました」と意を新たにした。
『ドライブ・マイ・カー』は、2014年に刊行された村上春樹の短編集「女のいない男たち」所収の同名小説を、『寝ても覚めても』『偶然と想像』などの濱口竜介監督が映画化。西島秀俊演じる妻を亡くした演出家・俳優の家福が2年後に広島の演劇祭に向かう中で、これまで目を背けていた妻の秘密と向き合っていくさまを追う。同作は、今年の米アカデミー賞で日本映画としては初の快挙となる作品賞をはじめ、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞(旧:外国語映画賞)の4部門にノミネートされている。
本作で主人公・家福のドライバーを務める寡黙な女性みさきを演じた三浦。ステージに上がると「本当にわたしは作品に恵まれていたなと今日改めて実感しています。自分の持っている能力以上のパフォーマンスを引き出していただいたなと、本当に『ドライブ・マイ・カー』という作品に関わっていただいた、支えていただいたスタッフ、キャストのみなさんにこの場を借りてあらためて感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」とスピーチ。
三浦は、これまで同作の演技でTAMA映画賞最優秀新進女優賞(『椿の庭』『おらおらでひとりいぐも』『アイヌモシリ』と共に)のほか、ブルーリボン賞、キネマ旬報ベスト・テン(『スパゲティコード・ラブ』と共に)、ヨコハマ映画祭などで助演女優賞を受賞するなど映画賞を席巻している。
2002年にサントリー「なっちゃん」のCMで注目を浴びた三浦は5歳から女優として活躍する一方、歌手としても頭角をあらわし、新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』の楽曲ではボーカルを務め紅白歌合戦出場も果たした。現在、連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」や映画『余命10年』が放送・公開中。先ごろ、三谷幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源義経(菅田将暉)の正妻を演じることが発表された。
ほか新人俳優賞を今田美桜(『東京リベンジャーズ』)、西野七瀬(『孤狼の血 LEVEL2』)、吉川愛(『ハニーレモンソーダ』)、磯村勇斗(『ヤクザと家族 The Family』『劇場版 きのう何食べた?』)、尾上右近(『燃えよ剣』)、宮沢氷魚(『騙し絵の牙』)、Fukase(『キャラクター』)が受賞した。(編集部・石井百合子)