地球の“今”を肌で知ることができる!グリーンイメージ国際環境映像祭
地球環境の“今”を映像を通して考える第9回グリーンイメージ国際環境映像祭が3月19日~21日、新潟・十日町市の道の駅まつだいふるさと会館常春ホールとオンラインのハイブリッド型で開催される。今年は現地で、「朝活 まつだいで体験する」と題して馬で田を耕す「馬耕」の体験ワークショップも実施され、目だけでなく肌で地球の“今”を知ることができそうだ。
同映像祭は前身のアース・ビジョン地球環境映像祭から数えると、今年で30年。昨年からはコロナ禍を鑑みてメイン会場を東京から新潟に移し、都会の喧騒を離れて大自然に抱かれながら鑑賞するスタイルが参加者から好評だったという。さらに現地での司会や運営は地元の高校生や大学生がボランティアで参加しており、地域との連携も深まっている。
第9回の今年は、31の国と地域から87作品の応募があり、うち10作品がグリーンイメージ賞に選ばれ、最終日に大賞が発表される。
10作品がまた今の時代を象徴するようラインナップだ。中でも深刻な気候変動をテーマに、自然やわれわれの生活にどのような影響が及んでいるのかを伝える作品としてシベリア凍土への冒険の旅『ホルガット~解けゆく永久凍土より』(2021)、スペイン映画『気候変動からの脱出』(2020)、セネガルが舞台の『救いを待つ人たち~迫り来る海』(2021)の3作が選ばれている。
日本からは3作。都会で生きる動物にスポットを当てた『ワイルド東京』(2021)、福島第一原発事故の影響を映し出す『失われた春 シイタケの教え』
(2019)、東日本大震災前後の仙台・荒浜の半農半漁の暮らしを見つめた『イナサ ~風寄せる大地 16年の記録~』(2021)とわたしたちが見逃しがちな世界を提示する。
また今年8月に第8回TICAD(アフリカ開発会議)がチェニジアで開催されることにちなんで、シンポジウム「持続可能な社会の構築に向けて 農村から考える新しい未来のかたち~TICAD8に向けて、日本の中山間地から世界との連携」が行われ、特別ゲストとして駐日セネガル共和国大使ゴルギ・シス閣下が参加する。
同映像祭は開催期間以外でも、教育機関などへの上映作品の貸出を、一年を通じて実施しており、学びの場・考える場の提供を積極的に行っている。独自の進化を続けている同映像祭に注目したい。(取材・文:中山治美)
第9回グリーンイメージ国際映像祭は3月19日~21日、新潟・十日町市 道の駅まつだいふるさと会館常春ホールとオンラインで開催。なお、まん延防止等重点措置区域からの参加者は、PCR陰性証明を取得の上での来場を呼びかけている。