柴咲コウ、『xxxHOLiC』四月一日役に神木隆之介が決まり「やったー！」

　俳優の神木隆之介と柴咲コウが22日、丸の内ピカデリーで行われた映画『ホリック xxxHOLiC』の完成披露舞台あいさつに出席。柴咲が四月一日君尋役に神木を熱望していたことを告白する一幕があった。この日は監督を務めた蜷川実花とともに、共演者の松村北斗、玉城ティナ、吉岡里帆も来場した。

妖しく美しい…『ホリック xxxHOLiC』場面カット【写真】

　アニメや実写ドラマ、舞台化もされた、クリエイター集団CLAMPによる同名コミックの実写映画化となる本作。人の心の闇に巣くう“アヤカシ”が見える高校生の四月一日君尋（神木）が、それに見合う対価と引き換えにどんな願いもかなえるという“ミセ”の女主人・壱原侑子（柴咲）と出会い、運命が変わっていくさまが描き出される。

　四月一日を演じることとなった神木は「めちゃくちゃプレッシャーでした」と切り出すと、「お話をいただいてから原作マンガを読ませていただいて大好きになって、何十回も読み返しました」と述懐。読み返すたびに「美しいなと思ったり、描いてあるセリフも、わかるようでわからないんだけど、わからないようでなんかわかるというような。表現として引き込まれましたし、読んでいるうちにこれを自分が演じるんだよなと、毎回われに返るのですが、そのたびにプレッシャーになってました」という。

　そのプレッシャーは大きかったようで「本当に美しくて、はかない四月一日という人物を三次元にした時に、どういう風に存在したらいいんだろうというのは不安でした」と語る神木。「ただ蜷川さんの世界観ということで、（蜷川）実花さんについていけば安心というか、大丈夫なんだろうなと思い、頑張りました」という。

　一方、もともと原作を知っていたという柴咲は「今回オファーが来て、侑子さんの役だよと聞いた時は『ええ！』と思いました」と驚きを隠せなかったというが、「ただその時に思ったのが、絶対に主役は神木くんしかいない。それ以外考えられないと思っていたら神木さんだったので『やったー！』と思っていたくらい。だからプレッシャーを感じてたなんて嘘だと思ったし、先ほど（神木が）言っていた儚さのようなものも感じるので、すごくうれしかったです」と神木との共演を喜んだ。

　また、自身が演じる侑子に関して「四月一日と侑子さんは対峙（たいじ）しないといけないわけで。これは大変だと思った」という柴咲。「侑子さんは絶対的な存在感がないといけないわけなので、どうすればいいんだろうと思っていたんですが、準備の段階で実花さんが写真を撮りながらフィッティングをしてくれて。座り方も指示してくれて、ビジュアルのイメージが完全にあるんだなと。本番になったら、ヘアメイクと素晴らしいい衣装が加わるわけなので、これは安心だぞと思いました」と振り返った。

　蜷川監督も原作の大ファンであるがゆえに、この作品の映像化の難しさを感じていたという。「長い原作の、どの話をどうやってまとめるのか難しくて。本当に七転八倒したんですが、最終的に柴咲さんと神木さんが決まった瞬間にいけると思いました。（映画を作りたいと思ってから）10年かかったんですが、この10年が必然というくらいに満足がいく出来になった」と満足げな表情。さらに「（柴咲）コウちゃんが絶対に（四月一日が）神木くんだと言っていたのは本当にそうだなと思っていましたし、絶対に侑子さんは柴咲コウにしかできないと勝手に思っていたので、二人が決まったときに、本当に人って『やったー！』と言うんだなと思いましたけど、『やったー』と言いました」と満足げな顔を見せた。（取材・文：壬生智裕）

映画『ホリック xxxHOLiC』は4月29日より全国公開