賛否両論のディストピア・スリラー!ベネチア受賞『ニューオーダー』が6.4公開
第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)に輝くも、各国の映画祭で賛否両論を巻き起こした映画『ニューオーダー』(原題:NUEVO ORDEN)が、6月4日より渋谷のシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開されることが明らかになった。
本作は、裕福な家庭に生まれ育ったマリアンの結婚パーティーに政財界の名士たちが集う中、近くの通りで行われていた貧富の格差に対する抗議運動が暴動と化し、暴徒が押し寄せたマリアン宅で殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられるディストピア・スリラー。マリアンは運良く難を逃れるも、そこには軍部による武力鎮圧と戒厳令が待ち受け、日常が悪夢に変わるさまが描かれる。メガホンを取ったのは『或る終焉』『母という名の女』などで知られるメキシコの俊英ミシェル・フランコ監督。
キャストには、ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド、ディエゴ・ボネータ、モニカ・デル・カルメンらが集結。あわせて公開された日本版ビジュアルには、頬に涙が伝うマリアンの顔や、武装した男たちの姿が収められている。
本作を通して広がり続ける経済格差と社会秩序の崩壊を描き出したフランコ監督は、「我々の暮らすメキシコに限らず、世界は極限状態に追い込まれている。まるで日々ディストピアに近づいているようにね。そしてパンデミックによって事態が更に悪化したことで、期せずしてこの作品は時代に即したものになってしまったんだ」と語っている。(編集部・吉田唯)