浜辺美波、岸井ゆきのの優しすぎる性格に驚き
女優の岸井ゆきのと浜辺美波が2日、都内で行われた映画『やがて海へと届く』の公開記念舞台あいさつに登壇。親友について語る中、岸井の優しすぎる性格に浜辺ら共演者が目を丸くする場面があった。
彩瀬まるの同名小説を映画化した本作は、突然消息を絶った親友・すみれ(浜辺)の不在を受け入れられずにいる真奈(岸井)が、親友が最後に旅した場所を訪れるさまを描き出すヒューマンドラマ。この日のイベントには、杉野遥亮、中崎敏、中川龍太郎監督も来場した。
数ある映画の中から本作を選んでくれた観客に感謝を述べる岸井と浜辺。岸井は「こんなに長い期間の役を一人で2時間の中で演じることはなかなかなかったので、素敵な時間でした」と、真奈の数年間を演じた撮影を振り返ると、自身の親友についても「一人います」と言及。「何年も前からの知り合いですけど、人間って底がないというか、話しても話しても知らないことがあるし、変わり続けていくし、そういうことを話し続けられるのが一緒にいられるコツなのかな」と親友に対する考えを明かした。
浜辺は「わたしが一方的に大好きで、親友だったらいいな……と思う人はいます」と打ち明けると、「わたしは何があっても助けたいと思っていますけど、相思相愛じゃなくてもいいかな。全然連絡を取らなかったり、会わなくても大丈夫。(そのうちに)たくさん会う機会もあるだろうし、そういう結びつきを信じているような人(が親友)かな」と語った。
さらに、「親友の定義とは?」と質問された浜辺は、「わかりやすいところでいうと、臓器をあげられる(こと)。(以前)ドライバーさんが言っていて、わたしも嫌じゃないな……となりました」と返答。杉野は「わかりやすくないですね」と苦笑するが、岸井が「臓器、困っている人がいたらあげちゃいません?」とさらなる衝撃回答を繰り出すと、杉野は浜辺と共に「えっ?」と驚き。しかし、「(臓器は)大事なものだし、自分にも(事故など)何かあるかもしれないし……」と考えをめぐらす浜辺は、困っている人なら誰にでも臓器提供ができると言える岸井に「優しいですよね」と感心していた。
続けて、現場でお菓子のグミを差し入れしていたことを中崎から明かされた岸井。助監督がグミ好きだったものの、遠慮してコソコソ食べていたそうで、岸井は「もっと堂々と食べればいいのにと思って、大量のグミを買って、みんなで食べようよ! とやったら楽しいんじゃないかなと思って」と回顧。その気遣いに、中川監督は「本当にいい人だよね……」と感嘆していた。
本作は、イタリアの第24回ウディネ・ファーイースト映画祭のコンペティション部門に出品されることが決定した。中川監督は「長い歴史があって魅力的な映画祭と言われていて、自分も行ってみたい場所でした。日本のローカルな世界を描いた物語が、別の文化の人たちにどう観ていただけるかは映画にとって重要なことなので、光栄と思いつつ、その時の反応をこの素晴らしい俳優さんたちと共有していきたいと思っています」と意気込み。
岸井は「物語も人とのかかわり方も非常にお国柄が出ている繊細な成り立ちなので、体中を使ってコミュニケーションをとるイタリアでどういう風に感じられるのか興味深いですし、言葉を超えて、海を越えて、作品が飛び立っていくのを見るのはうれしいです」と喜んだ。(錦怜那)
映画『やがて海へと届く』は全国公開中