赤楚衛二＆町田啓太、役との境目が曖昧に…映画『チェリまほ』監督＆P語る撮影秘話
赤楚衛二が主演を務め、町田啓太が共演する映画『チェリまほ THE MOVIE ～30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい～』（4月8日公開）の風間太樹監督と本間かなみプロデューサーが、赤楚と町田の魅力と本作の裏話などを語った。
本作は、2020年10月期に放送されて話題となったドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」（テレビ東京系）のその後を描く作品。童貞のまま30歳を迎えたことにより“触れた人の心が読める魔法”を手に入れた安達（赤楚）と、社内の人気者で仕事もできる同期・黒沢（町田）は、紆余曲折を経て恋人同士となり幸せな日々を送っていたが、安達の転勤話が持ち上がり、2人は将来について考え始めることになる。
本間プロデューサーは、安達役の赤楚について「瞬間のお芝居、その場で湧きあがってきたような感情の出し方をする。生っぽさというか、みずみずしさが魅力」とドラマの時から思っていたそうで、「映画では、さらにお芝居が豊かになられているように勝手に感じちゃうときがありました。新たな魅力としてスクリーンに映るのでは」と期待を寄せる。
黒沢役の町田のことは「まじめにやっていることが面白い、というのを体現させたら一番じゃないかなと思うくらい、そこが魅力的。沈黙したときの瞳が物語る力もすごい強い方です」と絶賛すると、風間監督も「表情が強いので一瞬眉が動くだけでも、なにかを物語ることができる」と同意する。
映画の撮影を振り返った監督は、「最近、安達と黒沢でいる時と、赤楚さんと町田さんでいるときの境目みたいなものが曖昧模糊な感じになってきてるなって勝手に思っているんですけど（笑）」と2人の様子を明かし、「でも多分、それは現場にいらっしゃるから。ただ、2人でいる時の空気感みたいなものは、すごく通ずるところがある。コミュニケーションを常に取られているからこそ、2人だからこそできることなのかなと思ったりする時は日々ありました」と感じるものがあったようだ。
赤楚と町田からアドリブも多く飛び出したそうで、「お芝居のなかで、自分たちのスパイスとして表現するアドリブも魅力的でした。そのアドリブもキャラクター性から逸脱せず、しっかりキャラクターのなかでやり遂げるから、実際の映像を編集してみても、そこまで使ってあげたくなっちゃうということが結構ありました」と2人に感心しきり。
また、「モノローグが映画のなかにも入るのですが、2人の表情で充分描かれているシーンが多かったので、編集をしながら本間さんと話して『ない方がイケるかもしれない』と半分ぐらい削ったと思います」と編集秘話も。「劇場という集中して観れる環境で作品をお届けできるので、できるだけ安達や黒沢たちに思いを馳せる余白みたいなものができたらいいなと。それは赤楚さんと町田さんが言葉よりも雄弁なお芝居をしていたからです。むしろ言葉にしてしまう方が限定的過ぎてしまう気がしました。いろいろな捉え方ができる表情だったり、すごく魅力的な表情をしているので、ぜひ注目していただきたい」とアピールしていた。
赤楚と町田が魅力たっぷりに演じた安達と黒沢。監督自身、安達と黒沢の関係について「ドラマも含め、いろいろな葛藤に対して、お互いに歩み寄ったうえで一緒に乗り越えていく。そういう恋路の歩み方ってなかなかできることじゃない。理想的であって“そうありたい”“そんなふうにいられたらいいのに”と思うことが2人に詰まっている気がする」と持論を述べ、「もちろん、（演出として）大切に描いているところでもあるんですけど、それを表現してくれてる2人がとっても魅力的」としみじみ語っていた。
本間プロデューサーも、安達と黒沢の魅力を「理解する努力、歩み寄る努力ができる。向き合って話し合うことができる二人。大人になるとそういったことって難しくなっていくと思うんですが、安達と黒沢はずっと変わらずにその努力をし続けることができる」と力説する。
なお、本間プロデューサーが本作で好きな役は、安達たちの部下である六角（草川拓弥）。理由は「あんな後輩がいたら……後輩じゃなくても、周りに六角がいたら自分もちょっと元気でそうじゃないですか（笑）。心強そうです。一緒に飲み会とかに行っても、六角の隣に座っておけば大丈夫！ みたいな謎の安心感がありそうな感じが好きです」と笑う。
一方の監督は、安達の先輩・浦部（鈴之助）がお気に入りだという。「浦部さんは、ドラマの最初でこそチクチクするようなことも言ったりしましたが、映画ではすごく安達のことを思っている。親心的な感覚で、安達の頑張りが嬉しいと思ってるんじゃないかな。映画ではそういった浦部さんの変化も見えて、より一層浦部さんのかわいさが際立って好きになりました（笑）」と映画での展開が気になるコメントもしていた。（編集部・梅山富美子）