少女の呪われた恋…チェコ映画史上最高傑作『マルケータ・ラザロヴァー』公開決定
チェコ・ヌーヴェルヴァーグの巨匠フランティシェク・ヴラーチル監督が1967年に制作した映画『マルケータ・ラザロヴァー』が、55年の時を経て7月2日より日本初劇場公開されることが決定した。
本作は、チェコで有名なヴラジスラフ・ヴァンチュラによる同名小説を原作に、13世紀半ばのボヘミア王国で、宗教と部族間の抗争に翻弄される少女マルケータの数奇な運命を描く。修道女となることを約束されていたマルケータは、領主とは名ばかりの父・ラザルと敵対する盗賊騎士コズリークの息子・ミコラーシュと恋に落ちる。
「過去の出来事をなぞるのではなく、歴史の内側を直感的に捉えたい」という監督の強い執念から、衣装や武器などの小道具を当時と同じ素材・方法で作成し、極寒の山奥で当時と同じように生活しながら548日間にもわたって撮影が行われた。さらに、衣装を『アマデウス』でアカデミー賞を受賞したテオドール・ピステック、音楽をズデニェク・リシュカが手掛け、綿密、大胆、崇高、獰猛なエネルギーに満ちたフィルム=オペラに仕上げた超大作だ。(今井優)