奥平大兼、自身が反映された2年ぶり長編映画 恋愛要素もアピール
俳優の奥平大兼が11日、都内で行われた映画『マイスモールランド』(5月6日公開)の完成披露舞台あいさつに登壇。2020年公開のスクリーンデビュー作『MOTHER マザー』で新人賞を総なめにした18歳の奥平が、2作目となる長編映画に抱いていた素直な思いを打ち明けた。
本作は、在留資格を失い、普通の高校生としての日常を奪われた17歳の在日クルド人の主人公サーリャ(嵐)が理不尽な社会と向き合いながら自分の居場所を探し、成長していく物語。ベルリン国際映画祭では、日本初の栄誉となるアムネスティ国際映画賞のスペシャル・メンション(特別表彰)に輝いた。イベントには、主演の嵐莉菜、川和田恵真監督も来場した。
奥平が演じたのは、サーリャが心を開く高校生の聡太。奥平は本作を振り返り、「自分は映画で始まった身という意識があったので、2年ぶりに映画に戻ってきたなと感じていました。だからこそ、意気込んでしまったところもありましたが、クランクインの前はすごく楽しみでした。オーディションでさえ楽しくて、合格と言ってくださってうれしかったです」とにっこり。
川和田監督は奥平を選んだ理由として、「幼さが残っていて、まだ青年に成りきらない青年というところがいいなと思いました。サーリャの複雑さを受け止めて、聞く役割として、奥平くんが持っている素朴さやフラットさが大事になると感じました」と説明。「奥平くんのモノを見るフラットさから思いついたセリフもありますし、聡太の趣味は奥平くんの趣味だったり、(自分が奥平に)やってほしいと想像してやってもらったこともある」とも明かすと、奥平は「僕の趣味や考え方を台本に反映してくれたおかげで、お芝居は嘘なことだけど、嘘じゃなくなるというか、本当の自分として演じることができました」と自信をのぞかせ、「ありがたかったです」と感謝した。
共演した嵐も奥平に感謝しており、「本当に心強くて、業界用語とかわからないことが多かったんですけど、気軽に聞ける存在でした。最後まで撮影できたのは奥平さんのおかげでもあったので、ありがたい存在でした」と頭を下げた。
本作で学んだことが多く、「この映画に携われてよかったと思います」としみじみと話す奥平は、社会問題を扱っていることから、「行動する前に、まずは『知る』ことが大事だと思います。だからこそ、たくさんの人に観ていただきたい作品です」と呼びかけ。さらに、「恋愛要素もあるので、そういうところも楽しんでください」と笑顔でアピールした。(錦怜那)