ホアキン・フェニックス、子どもにインタビュー「質問をするって難しい」

　『ジョーカー』などで知られる俳優のホアキン・フェニックスが、映画『カモン　カモン』（4月22日公開）の撮影で、子どもたちに台本なしのインタビューを行った。

【動画】ホアキンのインタビューシーン　『カモン　カモン』より

　『ミッドサマー』『ムーンライト』などの気鋭スタジオ・A24が手掛けた本作は、ニューヨークを拠点に全米各地を飛び回るラジオジャーナリストのジョニー（ホアキン）が、9歳の甥っ子ジェシー（ウディ・ノーマン）と突然共同生活をすることになり、初めての子育てに戸惑いながらも絆を育んでいく姿を描いたヒューマンドラマ。『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督がメガホンを取った。

　ホアキンふんするラジオジャーナリストのジョニーは、全米各地の子どもたちに取材をして回っているキャラクター。劇中のインタビューシーンは台本なしで撮影されたといい、ホアキンは9～14歳の子どもたちに実際にインタビューを行った。ホアキンが投げかけた質問は、「未来はどんなふうになると思う？」「正しい道を進むために大人は何ができたと思う？」「自分の何か1つを変えられるなら、何にする？」といったもの。どの取材でも必ず、嫌な質問には答えなくて良いと子どもたちに伝えていたそうで、ホアキンは「子どもたちにインタビューするのはすごく難しいと思っていたんだけど、子どもたちはすぐに心を開いてくれて、むしろ、自分の意見を聞いてほしいと切望している感じだったんだ」と振り返っている。

　撮影前には、自身の甥っ子にインタビューを行ったホアキン。「非常に立ち入ったものだし、すごく居心地が悪いんじゃないかと思っていたけど、終わった後に（甥っ子に）感想を聞いたら、“すごく良かったよ！　これまで（ホアキンが）聞いたことがないようなこと聞いてくれたから”って言ってくれたんだよ」と甥っ子との会話を明かす。

　また、インタビューを受けるのに苦手意識があったというホアキンは、「今回インタビューの力を知ったように思う。経験上、インタビューで大変なのは、それに答えなくちゃいけない自分の方だと思っていたんだ。インタビューする方は、楽しくて簡単なはずだってね。だけど実際にやってみたら、少なくとも僕にとっては質問をするって実はすごく難しいと分かった」と今回の撮影を通して考えが変わったという。

　なお、子どもたちのなかには「あのジョーカー役の人だね」とすぐに反応した子もいれば、ホアキンが有名俳優であることを知らない子もいたそう。間近でインタビューを見てきたミルズ監督いわく、「ホアキンには、スターという雰囲気だけでなく、“ちょっと、話していいかい？”という空間を作り出す力がある」という。そんなホアキンと子どもたちの真摯なやり取りや、現在の生活や家族、未来について率直に語る子どもたちの言葉からは、監督が作品に込めた「大人は子供と彼らの未来に責任がある」という強いメッセージが伝わってくる。（編集部・吉田唯）