ADVERTISEMENT

ガンダム『ククルス・ドアンの島』“異形のザク”へのこだわり MS戦は「任侠映画のノリ」

安彦監督が「カトキハジメさんのこだわりをいただいた」というドアン専用ザク
安彦監督が「カトキハジメさんのこだわりをいただいた」というドアン専用ザク - (C)創通・サンライズ

 アニメ「機動戦士ガンダム」(1979~)の人気エピソードを映画化した『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場する、テレビ版のデザインを生かしたドアン専用ザクの背景や、劇中で描かれるモビルスーツ戦の裏側を、安彦良和監督が公式インタビューで語っている。また、先行カットも公開。ジムを叩き伏せるドアン専用ザクや、2本のビームサーベルを構えるガンダム、ルッグンにぶらさがる高機動型ザクなど、激しい戦闘の様子が見てとれる。

ガンダム、再び大地に立つ!『ククルス・ドアンの島』先行カット【6枚】

 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の安彦監督が、テレビ版の第15話に、新たなエピソードや迫力のモビルスーツ戦を加えて映画化する本作。任務のため「帰らずの島」と呼ばれる島にガンダムで降り立った主人公アムロ・レイ(古谷徹)と、そこで20人の子供たちと暮らすジオン軍の脱走兵ククルス・ドアン(武内駿輔)の交流に加え、3DCGで表現されたモビルスーツ同士の地上戦もふんだんに盛り込まれている。

ADVERTISEMENT

 ドアンは、地球連邦やジオンにかかわらず、島に降り立つ敵機をザクで戦闘不能にしている歴戦のパイロット。彼の搭乗するザクは、第15話の作画的な背景を踏まえた絶妙なバランスのデザインが採用されており、安彦監督は「彼の乗るザクが特別であるわけはないと僕は思っていたんです。テレビでも普通のザクでしたし。でも、モビルスーツのデザインを担当してもらったカトキ(ハジメ)さんは非常に思い入れがあるらしくて、やっぱりどこかが他のザクとは違う、ただならぬ雰囲気があったほうがいいと力説されたんですよね」と明かす。

 「彼の言葉を借りると〈異形のザク〉なんだと。カトキさんが映画のために描いたドアンのザクは、だいぶくたびれて壊れていて、頭もいびつで鼻が長い。いろいろ修理したんでしょうけど、それで異形になるのもおかしいと思えたけど、確かにそのほうが雰囲気が出ていいんですよね。理屈を超えたカトキハジメさんのこだわりをいただいたということです」

 また本作には、ドアンのかつての部下で、彼の命を狙うサザンクロス隊が駆る、MS-06GD 高機動型ザク (地上用)も登場。メカニックデザイナーの大河原邦男が、安彦監督の注文に応えてデザインした機体で、安彦監督は「ザクっていうのは地球では基本的にノッシノッシと歩くキャラクターなんです。地上で動きが素早いモビルスーツとなると、どうしてもドムが頭に思い浮かぶんです。あいつらはホバークラフトでスライドするような動きが得意で速い。でも、ドムが出てくるにはちょっと時期が早いなと。それで大河原さんには『ドムの前の世代にあたるようなザクを作ってくれませんか』とお願いをしたんですよね」と誕生の経緯を明かす。

ADVERTISEMENT

 「脚にノズルが付いていて浮力が発生して動くんですけど、具体的なイメージをどうお伝えすべきかちょっと悩ましかったんです。それで思いついたのがスケーターの動き。大河原さんにそれをお伝えして、その登場シーンの絵コンテを担当してもらった副監督のイムガヒさんにも『スケーターの動きを意識してください』とお願いしました。そこのシーンは割といい感じに仕上がったんじゃないかなと思います」

 もちろん、15歳のアムロが操縦する、RX-78-02 ガンダムの活躍も見どころ。安彦監督も「この映画は何と言っても『THE ORIGIN』でお見せできなかったガンダムが活躍する話ですから、どうやったらかっこよく登場させられるかにも、けっこう気を遣ってます。僕は世代が古いものですから、昔の任侠映画のノリが欲しいと思っていたんですよね。この映画のガンダムは、高倉健さんというより鶴田浩二さんだねって言ってます(笑)」と自信をのぞかせる。

 「とは言っても物語の中心はドアンでありドアンのザクなので、ガンダムの活躍は限られてます。アムロも制約の多い状況下に置かれることになりますからね」という安彦監督だが、大スクリーンで迫力の地上戦を味わうことができそうだ。「その限られた登場シーンでいかにガンダムをガンダムらしく見せられるか。最近は宇宙空間で光モノが派手に飛び交うような戦闘が多いと思うんだけども、今回はローテクっぽく、まさに大地に立って戦う作品になっています」(編集部・入倉功一)

映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は6月3日より全国公開

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT