『ドクター・ストレンジMoM』新キャラ、アメリカ・チャベスとは?マルチバースを行き来するヒーローの歴史
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(5月4日全国公開)に登場する新キャラクター、アメリカ・チャベス。予告編では、拳を握って跳躍する姿が確認できるが、彼女は一体何者なのか? マーベル・コミックにおける歴史とあわせて、チャベスの謎に迫る。
アメリカ・チャベス、原作コミックではこんな人物
原作コミックでの歴史は比較的新しく、初登場は2011年の「Vengeance #1」。初期設定では、チャベスは女性だけが暮らす異次元のユニバース「ユートピア・パラレル」で生まれ、2人の母親に育てられる。しかし、彼女が幼い頃に、母親たちは自分たちのユニバースを救うために自ら犠牲となり、チャベスは故郷を去って地球に漂着し、ヒーローになった。
2013年のコミック「Young Avengers」では、若きヒーローチーム、ヤング・アベンジャーズの一員として活躍。他にも、女性だけのヒーローチーム・Aフォースや、ウエストコースト・アベンジャーズに所属している。そして、2017年の彼女が主人公のコミックシリーズ「America」では、マーベル初のラテン系LGBTQ+のスーパーヒーローとして描かれている。
アメリカ・チャベスのスーパーパワーは、故郷ユートピア・パラレルに存在する一種のエネルギーによるもの。飛行能力、超人的な筋力や耐久力などを持つが、最も注目なのが、複数のユニバース間を移動する能力。彼女は、パンチやキックによって星形のポータルを開き、それを通って別のユニバースに移動することができるのだ。この能力は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版のチャベスにも引き継がれている。
映画での設定、演じている俳優は?
MCU版のチャベスについての詳細設定は未発表だが、原作コミック同様、複数のユニバース間を移動する能力を駆使するのは、メガホンを取るサム・ライミ監督の発言からも明らかである。ライミ監督は、本作のチャベスについて英・Empireでこう語っている。「ドクター・ストレンジはマルチバースについて学んでいる途中ですが、すでにマルチバースを自由に行き来している人物がいるんです。ストレンジはいつも何でも知っているような顔をしていますが、今回は、彼よりも賢そうな子供から学ばなくてはならないんです」
また、ライミ監督はチャベスの性格についてもFandangoのインタビューで言及。「彼女には10代ならではの明るさと若さがあります」「ストレンジのキャラクターとは対照的なので、彼が最初から彼女のことを好きだとは思いません」と説明している。
そんなチャベスを演じるのは、4月29日に16歳の誕生日を迎えたソーチー・ゴメス。アメリカ・ロサンゼルス生まれのソーチーは、両親がメキシコ系で、彼女もコミックのチャベスと同じラテン系である。名前のソーチーは、メキシコなどに住むユト・アステカ語族が使うナワトル語で“花”という意味だそう。
5歳の頃からミュージカルや舞台で演技を始めた彼女は、10歳からテレビに出演。Netflixで配信中のドラマ「ベビー・シッターズ・クラブ」では、ドラマの中心となる5人の女の子の一人、ロサンゼルスから転校してきたドーン役を務め、少々頼りない母親と暮らす、しっかり者の女の子を演じている。映画のチャベスも、ドーンのような大人顔負けのしっかり者なのかもしれない。
今後のMCUで活躍する可能性も!?
本作での活躍が楽しみなアメリカ・チャベスだが、彼女は今後のMCUでも活躍する可能性が高い。というのも、彼女も所属しているヤング・アベンジャーズは、かなり前から実写化の噂があり、このメンバーたちが昨今、続々とMCUに登場しているのだ。
「ホークアイ」のケイト・ビショップ、「ロキ」のキッド・ロキ、「ワンダヴィジョン」のスピードとウィッカン、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のエリ・ブラッドリーことパトリオットは、いずれも原作コミックではヤング・アベンジャーズのメンバーである。今回、アメリカ・チャベスも実写化されたとなると、やはり……? その可能性を含め、最新作での彼女の活躍は要チェックだ。(平沢薫)