『オッドタクシー』映画版では何が描かれた?明らかになった謎をチェック【ネタバレあり】
テレビアニメ「オッドタクシー」を映画化した『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』が4月1日より全国公開中。アニメシリーズを新たな形で描く本作で明らかになった謎や、映画版ならではの見どころをチェックしてみたい(本記事には『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』のネタバレを含んでいます)。
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2021年4月より放送された「オッドタクシー」は、タクシードライバーの小戸川を主人公とする群像劇を描いたアニメーション。監督・キャラクターデザインを木下麦が務め、漫画「セトウツミ」の原作や映画『ブラック校則』の脚本で知られる此元和津也がシナリオを担当。映画では、テレビアニメのエピソードを再構成した新たなストーリーが展開していくなかで、最終回のその後も描かれていく。
本作は主人公のタクシー運転手・小戸川が関わった事件について、事件に関与した17人のキャラクターが証言をするという構成。テレビアニメでは描かれることがなかったそれぞれのキャラクターの心境や証言が描かれている。アニメシリーズはもちろん、公式YouTubeで配信されたオーディオドラマなども巻き込んだ物語が展開している。
まず、映画版で明らかになっているのは、ネットオークション詐欺の真犯人。アニメシリーズで話題を呼んだ第4話「田中革命」では、ゲーム会社に勤務する田中に焦点を当てたストーリーが繰り広げられた。そのなかで、執着心の強かった小学生時代の田中は、ネットオークションを通じて10万円まで値段が釣り上がった呑楽消しゴムを落札。しかし、出品主から消しゴムが届くことはなく、田中は大きなトラウマを負うことに。劇中では、その時に値段を釣り上げた人物が明かされる。
クレジットが流れるエンドロールも物語の全貌をひもとくカギとなる。そこでは、公式YouTubeで配信されているオーディオドラマの最終話の結末もほのめかされている。居酒屋・やまびこの女将であるタエ子がある人物に襲撃され、さらにはその場面を盗聴していた高校生の長嶋も次の標的にされていたが、二人のその後の姿も確認できる。また、アニメシリーズのラストでは、事件の真犯人が小戸川のタクシーに乗り込み、不敵な笑みを浮かべて幕を閉じたが、その先の展開のヒントも見逃せない。
ほかにも映画版だけの心温まるワンシーンも。アニメシリーズの最終回で、白川が「落ち着いたら動物園に行きたいな」と小戸川を誘っていたが、そのデートの様子も映画では描かれる。出発前のシーンは木下監督の一番のお気に入りシーンでもあり、約43秒間のワンカットによる小戸川と白川の微笑ましいやりとりを堪能できる。緊張感に満ちたサスペンスフルな物語展開のなかで、ほっと一息つける時間ともなっている。
さらには映画では、それぞれの人物からの証言をとり、大量の調査報告書を前に真剣な表情を浮かべる謎の3人組も登場。彼らの正体やその目的とは? そして誰の指示で動いているのか? 実は、彼ら3人はアニメシリーズにも姿を見せており、振り返ってその場面を突き止めるのも一興かもしれない。(編集部・大内啓輔)