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人はなぜスーパーヒーローに惹かれるのか 『ドクター・ストレンジMoM』サム・ライミ監督インタビュー

サム・ライミ監督が描く『ドクター・ストレンジ』の世界
サム・ライミ監督が描く『ドクター・ストレンジ』の世界 - (C) Marvel Studios 2022

 トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』三部作で知られ、最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(公開中)でマーベル映画に復帰したサム・ライミ監督が各国メディア向けの合同インタビューに応じ、本作で描いたマルチバースや、幅広い世代に愛され続けるスーパーヒーローの魅力について語った。

【画像】いまも愛され続けるサム・ライミ版スパイダーマン

 アメコミ映画ブームの先駆けとなった『スパイダーマン』シリーズを手がけたライミ監督は、『スパイダーマン3』(2007)から約15年の時を経て、再びアメコミ映画のメガホンを取ることとなった。「マーベルのスーパーヒーロー映画を監督するのは素晴らしかった。実際すごく楽しいんだ」と喜びをにじませると、「自分が大好きなストーリーを語るのは楽しいし、フィルムメイカーとしてエキサイティングなんだ。プロジェクトによっては、とても圧倒されるものがあって、障害や問題を少しずつ克服していく。とてもやりがいのある感覚だよ」とヒーロー映画を撮る楽しさを明かす。

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 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)入りを果たしたライミ監督は、自身が撮った『スパイダーマン2』(2004)でも名前が登場した魔術師ドクター・ストレンジの物語を任された。本作では、ストレンジたちが禁断の呪文によって開かれたマルチバース(いくつもの並行世界)の脅威に挑む。

 MCU初の本格ホラーとして、得意の恐怖描写を取り入れながらマルチバースの危険な側面を掘り下げていった。無数にあるマルチバースを構築する上で、ライミ監督は「重要なのは(マルチバースが)正確に、適切に、観客に提供するツールであることだった」と語る。

 「私には違う場所についての明確な定義が必要だった。『(別次元が)どんな感じか? どんなふうに聞こえるか? どう見えるか? 質感はどんな感じか?』といったね。また、素晴らしいスタッフも必要だった。各ユニバースの雰囲気が明確になるように、僕らは一緒に仕事をした。(脚本家の)マイケル・ウォルドロンが書いたものは、MCUのキャラクターの歴史において、初めてのジャーニーなんだ。キャラクターたちは、私たちのユニバースから他のものに出ていく。そして、その経験が観客にとって独特でユニークなものになるようにしたかった。それが私にとって、重要なことだったんだ」

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ライミ印のホラー描写もさく裂! - (C) Marvel Studios 2022

 ライミ監督が映像化したスパイダーマンはもちろん、スーパーヒーローは世界中で長年愛されている存在。なぜ、人々はヒーローに惹かれるのか? 監督は「スーパーヒーローの核にある人間の部分に観客が共感するからだ」と回答する。

 「彼らはヒーローのことを、自分たちが共感できる人として認識するんだ。人間であり、欠点のある人としてね。そして、ヒーローが困難に直面したり、困難に圧倒されるのを目撃する。ある時は、ヒーローが立ち上がり、彼らの邪魔をするものを打ち負かすことができる。そういったストーリーは、観客にとって、とても感動的だ。自分たちにどんなことができるのかを示すんだ。とても前向きなやり方で、何が可能かを見せる。それが、僕らがストーリーを語る理由なんだ。観客にインスピレーションを与えて、高揚させる。ヒーローがそういったことをする限り、とても人気であり続けると思う」

 ベネディクト・カンバーバッチらキャストとの撮影も楽しんだと話すライミ監督。お気に入りのキャラクターを聞かれた際には、「僕は全員大好きだが、正直に言うとウォンが好き。もちろん、アメリカ・チャベスも大好きだよ。(チャベス役の)ソーチー・ゴメスは、若い精神を表現するために素晴らしい仕事をしたんだ。ドクター・ストレンジを無視して行動する上でもね。(笑)」と回答していた。(編集部・倉本拓弥)

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