『トップガン』に出てたメグ・ライアンの現在
大ヒット公開中の映画『トップガン マーヴェリック』では、ジェニファー・コネリー演じるペニーが新ヒロインとなり、前作でヒロインを務めたチャーリー役のケリー・マクギリスは出演していない。そしてもう一人、前作に登場した女性キャストで、続編に出演していないのがメグ・ライアンだ。メグはどうしているのか、これまでのキャリアと現在の活躍に迫った。
1961年11月19日生まれのメグは、現在60歳。大学在学中に名匠ジョージ・キューカー監督の『ベストフレンズ』(1981)で映画デビューを果たす。『トップガン』では、トム・クルーズ演じるマーヴェリックの盟友グースの妻キャロル役で出演し、夫を一途に愛する天真爛漫な姿を披露した。当時はまだブレイク前だったが、金髪のショートヘアーに弾ける笑顔が印象的で、端役ながら注目を浴びることになる。続編でも回想シーンの中でちらっと登場し、メグの抜群の愛らしさを再確認することができる。
その後のメグのキャリアは飛ぶ鳥を落とす勢いで、ビリー・クリスタル共演の『恋人たちの予感』(1989)で一気にブレイクし、トム・ハンクス共演の『めぐり逢えたら』(1993)、アンディ・ガルシア共演の『男が女を愛する時』(1994)が立て続けにヒットする。以降、『フレンチ・キス』(1995)、『恋におぼれて』(1997)、『シティ・オブ・エンジェル』(1998)、『ユー・ガット・メール』(1998)などに出演し、『プリティ・ウーマン』(1990)でブレイクしたジュリア・ロバーツとともに、ロマコメ(ロマンチック・コメディ)界のツートップとして、1990年代の人気女優の座を不動のものにした。
プライベートでは、『インナースペース』(1987)で共演したデニス・クエイドと1991年に結婚し、翌年長男ジャック・クエイドを授かる。しかし、『プルーフ・オブ・ライフ』(2000)で共演したラッセル・クロウと不倫報道の後、2001年に離婚。2006年に中国から女の子の養子を迎えた。
不倫騒動でロマコメの女王のイメージが崩れたことにより、新たな道を模索したメグは『イン ザ カット』(2003)で官能的なキャラクターに挑むも、ヒット作とはならずキャリアは失速傾向に。『ファイティング×ガール』(2004)、『メグ・ライアンの 男と女の取扱説明書』(2009)などの主演作が日本劇場未公開となった。
映画からテレビへ活躍の場を移した後、『涙のメッセンジャー 14歳の約束』(2015)で映画監督デビューを果たしたが、残念ながら日本では劇場未公開扱いとなった。その後は容姿のことや、ミュージシャンのジョン・メレンキャンプとのゴシップばかりが話題となる。2人は2018年に婚約するが、翌年婚約は解消された。
ここ数年スクリーンから遠ざかっていたメグだが、『ホワット・ハプン・レイター(原題) / What Happens Later』で久しぶりに女優復帰することが報じられた。日本で劇場公開された作品としては、ヒュー・ジャックマンと共演した『ニューヨークの恋人』(2001)以来、約20年ぶりのロマコメ作品への出演となる。デヴィッド・ドゥカヴニーと共演するほか、監督、原作者のスティーヴン・ディーツと共同で脚本も務める。公私ともに心機一転、元祖ロマコメの女王の健在ぶりを見せつけることができるか。全米公開は2023年を予定している。(編集部・香取亜希)