「スタジオドラゴンジャパン(仮)」今年上半期中に発足へ
電子コミックサービス「LINEマンガ」を運営する LINE Digital Frontier 株式会社が、ドラマ「愛の不時着」で知られる韓国の CJ ENM とスタジオドラゴンと提携し、合弁法人「スタジオドラゴンジャパン(仮)」を設立する。
「愛の不時着」「サイコだけど大丈夫」「青春の記録」「スタートアップ:夢の扉」「悪霊狩猟団:カウンターズ」などヒット作を生み出し続けるスタジオドラゴンは、コンテンツ企画、開発から資金調達、プロデューシングおよび流通に至るまでの全過程を網羅するアジア最大規模のドラマスタジオ。2016年に CJ ENM のドラマ事業本部として設立され、2020年には米国ロサンゼルスに海外支社も設立した。
LINE Digital Frontier 株式会社は2018年に設立され、2020年には世界最高レベルの電子コミックのノウハウを持つ WEBTOON Entertainment Inc.(米国)の傘下に入った。これにより、運営するサービス「LINE マンガ」は、グローバルでの月間利用者数8,200万、累計ダウンロード数2億超、ひと月の流通額が100億円を超える。今年3月には、電子書籍販売サービス「ebookjapan」を運営する株式会社イーブックイニシアティブジャパンを完全子会社化。両社のサービス「LINE マンガ」「ebookjapan」を単純合算した2021年度の国内流通総額は765億円を超え、日本国内で展開する電子コミックプラットフォームとしては最大になる見込みだ。
スタジオドラゴンジャパンは、LINE Digital Frontier 株式会社、CJENM、ならびに、スタジオドラゴンが共同で300億ウォン(約30億円)を出資して設立し、今年上半期中に発足する予定。“WEBTOON worldwide service”に所属するプラットフォームサービスの運営会社が韓国の制作会社と提携し、日本国内に映像ドラマの専門スタジオを設立するのは初となる。
今回の合弁法人設立は、CJ ENM とスタジオドラゴンの制作ノウハウを基盤に、オリジナルIPのドラマ化など、グローバル展開の加速を目的としている。また、LINE Digital Frontier 株式会社が保有するオリジナルIPを、CJ ENM およびスタジオドラゴンのノウハウと統合することで、日本国内で制作されたドラマとは差別化したプレミアムコンテンツを生み出し、日本ドラマ市場を革新・活性化させることを目指すという。
LINE Digital Frontier 株式会社 取締役の金信培は、「今回の合弁法人設立で、コンテンツ大国と呼ばれる日本でオリジナルwebtoon作品の映像化につながるIPのバリューチェーンをつくることができます。日本市場のみならずグローバル市場を狙った完成度の高いドラマを通して、多面的なwebtoon IPの独自性溢れる優良なコンテンツを皆様に広く楽しんでいただくとともに、グローバルプレーヤーとしてのポジションを強化していきます。同時に、既にカテゴリーの代名詞となった、webtoon(スマートデバイスでの閲覧に適した、上から下に読み進める縦スクロール形式のデジタルコミック)を日本でもさらに強化していきますので、日本発のオリジナルwebtoon作品にもご期待ください」とコメントを寄せている。
また、CJ ENM ドラマ日本事業総括のカン・チョルグ経営リーダーは、「スタジオドラゴンジャパンは韓国と日本両国内の才能あるクリエイターが相互交流できる重要な拠点であり、競争力のあるコンテンツのグローバル進出ゲートウェイの役割を果たすでしょう。多様なグローバルOTTをはじめとする新しいチャンネルをターゲットとしたプレミアムドラマを制作する予定です」と語っている。(編集部・梅山富美子)