『流浪の月』広瀬すず&松坂桃李、想定外のシーン 李相日監督も驚愕
広瀬すずと松坂桃李が24日、都内で行われたダブル主演映画『流浪の月』(公開中)の大ヒット御礼舞台あいさつに、李相日監督と登壇。李監督は役に没入し、芝居を超えてあふれ出る二人の感情に驚愕したことを打ち明けた。この日は、共演の横浜流星、多部未華子も来場した(※一部ネタバレあり)。
本作は、2020年本屋大賞で大賞を受賞した凪良ゆうの小説が原作。10歳のときに誘拐事件の被害女児として世間に名を知られることになった家内更紗(広瀬)と、事件の加害者とされた当時19歳の大学生・佐伯文(松坂)が15年後、思わぬ再会を果たすさまが描かれる。李監督と広瀬は『怒り』以来6年ぶりのタッグとなる。
撮影を振り返り、印象的なシーンを問われた広瀬は、文と彼に寄り添う看護師・谷あゆみ(多部)の会話シーンを挙げ、「文の谷さんを見る目が急に変わるというか、自分で一枚フィルターをかけたようなしゃべり方を(出来上がった)映画で見て、うわっと思いました」と吐露。多部も「あんなフィルターがかかった死んだような目で(見つめられて)……」と松坂の役への没入ぶりを回想した。
李監督も松坂を絶賛。クライマックスのシーンでは台本に「やめろ!」などというセリフがあったのだが、「もうやめてくれ!」という最後の一押しとなるセリフは「桃李くんというか、文が吐き出した言葉だったので、すごいものが出てきたという驚きがあった」と打ち明ける。その言葉を受け、松坂は「順撮りに近い形でやってくださったおかげで、こちらも実感を積み重ねやすかったのは大きい」と感謝を示した。
また、更紗が恋人の亮(横浜)につらい思いをした後に文と会うシーンにおいては、「更紗がセリフを言い終わった後に文が手を添える」という流れだったのだが、李監督の中で「何か届き切らない」ものがあり、松坂とだけ話し合い「セリフを言い終わらないうちに手を添える」に変更したのだとか。すると、「更紗からもっとボロボロ(感情が)こぼれてきた」そうで、「アドリブではないですけど、あふれ出る感じがいくつかありました」と広瀬に感嘆したことも明かしていた。(錦怜那)