アヴちゃん&森山未來、10年来の絆 『犬王』肩を並べた主演振り返る
映画『夜は短し歩けよ乙女』、テレビシリーズ「映像研には手を出すな!」などの湯浅政明監督の新作長編アニメーション映画『犬王』(5月28日公開)で声優としてダブル主演を務めるアヴちゃん(女王蜂)と森山未來。互いに神戸出身で10年来の付き合いがあるという二人が本作の舞台裏を明かすインタビュー映像が公開された。言葉の端々から互いへのリスペクトがうかがえる内容となっている。
本作は、古川日出男の「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町の知られざるポップスター・犬王から生まれた物語をイマジネーション豊かに描くミュージカル・アニメ。脚本をドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」などの野木亜紀子、キャラクター原案を漫画家の松本大洋、音楽を連続テレビ小説「あまちゃん」や大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~」などの大友良英が手掛ける。
アヴちゃんは、カリスマ性と歌唱力を備えた主人公・犬王、森山はその相棒となる琵琶法師・友魚(ともな)の声を担当。二人の交流は、森山が主演を務めたドラマの劇場版『モテキ』(2011)から。同作のメインテーマを、女王蜂が担当していた。アヴちゃんは、オファーを受けた際の心境を「うれしいという気持ちと共に、できるかな? 大丈夫かな?」と不安に感じつつも「(友魚役の)オファーを出しているのが森山未來氏ということで受けます! という感じですね。ならのびのびできるじゃないですけど……お友達だからかなというのもあるんですけど(笑)」と回顧。
一方、森山は「能楽師にアヴちゃんがってなったら、もうそれだけでまずやらせてくださいっていう感じでした」と声を弾ませつつ「でも単純に考えたら舞う方がアヴちゃんで歌う方が俺って逆やん! みたいに最初純粋に思いましたけど」と意外なキャスティングにツッコミも。しかし、蓋を開けてみると「もうめちゃくちゃ歌ってる。ステージで舞い踊り歌うっていうシーンもアヴちゃんというか、犬王というかアヴちゃんというか」と圧倒的な存在感に魅了されたという。森山はさらに「声も本当に七色が全部出るので、もうだからその存在にそれはもう犬王と友魚という役柄なんですけど、もうその関係性そのままに引っ張っていってもらうという感覚ですね」とアヴちゃんの美声をアピールしていた。
アフレコについて、湯浅監督からどのようなディレクションがあったのかを振り返るアヴちゃん。自身で演じて見せながら「のどから血の味がするみたいな。子供って大変と思いながら頑張ったりやっていました」と話していた。
それぞれ独特の言葉で作品の見どころを語り、アヴちゃんは「(出会いから)10年経ってダブル主演ということで肩を並べてそしてお互いにいいところを盗んだり提供したりしてやれてること、そして映画の中ですけれども友情・愛情、唯一無二のものができるってことに本当に運命を感じている」と熱い思いを語っていた。(編集部・石井百合子)