市原隼人、優しい人柄…“生徒”からのプレゼントをひざまずいて受け取る
俳優の市原隼人が28日、都内で行われた『劇場版 おいしい給食 卒業』の大ヒット御礼舞台あいさつに登壇した。感謝の言葉を幾度となく使い、謙虚な姿勢を見せる市原に、会場は優しい空気に包まれた。この日は土村芳、佐藤大志、勇翔、田村侑久、登坂淳一、直江喜一、綾部真弥監督も出席。生徒役の山崎玲奈、細野涼聖、望田咲空、上阪悠斗、羽賀凪冴がサプライズ登場し、市原に寄せ書きを送った。
本作は、1980年代の中学校を舞台に、心から給食を愛している教師・甘利田幸男(市原)と、給食をおいしく食べることにおいて甘利田のライバルとなる生徒・神野ゴウ(佐藤)との飽くなき勝負を描いたドラマ「おいしい給食」シリーズの劇場版第2弾。給食メニューの改革が決定され不穏な雰囲気が流れるなか、愛してやまない給食を守るために甘利田が立ち上がる。
山下智久主演ドラマ「正直不動産」や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演して話題を集めている市原は、「なかなか正直になれない不動産屋を演じていても、鎌倉の方で武士を演じていても、どこかで給食のことを考えているとウワサになっています」と笑いながら、「それほどまでも僕を励ましてくれる甘利田幸男を演じさせていただきました」とあいさつ。「連日、多くの方が映画館に足を運んでくださることに心から、これ以上ない感謝を申し上げます」と頭を下げた。
作品にちなみ、現在の心境を習字で書くなら? という質問が飛ぶと、佐藤は「愛情。前回よりもたくさんの方に観ていただいて、舞台あいさつも多くさせてもらって、皆さんの愛情を体で受け止めている感じがするので」とコメント。市原は「浪漫」と発表すると、「(役者業は)なくても世の中が成立してしまうからこそ、存在意義を見いだすために必死にもがいている。かっこいいものではなく泥臭い。泥水に手を突っ込んで、なんとか夢を探り当てようとしている」と役者としての思いを吐露し、「(観客の)お客様」だけが自分に浪漫を見させてくれると説明して、満席の会場を優しいまなざしで見つめた。
その後、山崎らがサプライズで登場するが、ステージが狭いため登壇できず、ステージ下から寄せ書きを渡すことになると、市原はひざまずいて受け取り、人目も気にせずじっくり目を通した。代表の山崎が本作に携われた喜びを切々と伝えると、市原は降壇して目線を合わせ、コロナ禍での厳しい撮影を振り返りつつ、「可能性しかない皆さんとご一緒できたことは僕の誇りです。毎朝、みんなに会うことが楽しみで、本当に幸せでした」と語りかけた。
さらに、「またご一緒できるように芝居も精進します」とベテランとは思えない謙虚な姿勢を見せた市原。そして、「(彼女たちが)お客さんの顔を見られただけでうれしいです。このために頑張ってきたんだもんね」とメインではなくとも作品の一部である役者たちに思いを寄せ、まるで自分のことのように喜び、「生徒一人一人のことをこれからも応援してあげてください」と観客に呼びかけていた。(錦怜那)
『劇場版 おいしい給食 卒業』は公開中