ムロツヨシ、花道3往復のファンサービスで主演映画アピール
俳優のムロツヨシが1日、都内で行われた主演映画『神は見返りを求める』(6月24日公開)完成披露試写会に出席。会場に花道があることに気づいたムロは「ここに花道が存在する以上、歩くべきですね」と客席の近くまで歩くファンサービス。その後も花道を3往復するなどして会場を盛り上げていた。試写会には岸井ゆきの、若葉竜也、吉村界人、柳俊太郎、吉田恵輔監督も登壇した。
本作は、映画『ヒメアノ~ル』や『空白』などの吉田監督がオリジナル脚本を手掛け、見返りを求める男と、恩をあだで返す女の豹変する関係を描くラブストーリー。ムロは、底辺YouTuberゆりちゃん(岸井)のチャンネルのアクセス数を上げるために、見返りを求めず手伝うイベント会社サラリーマンの田母神(たもがみ)を演じる。
ステージ上に登場するなり、客席の方へと繋がる花道を見つけたムロは「打ち合わせの際、花道があることは聞いておりませんでした」と話し始めると「ですが花道が存在する以上、ここを歩くべきだとわたしは思います」と客席の中央付近まで闊歩。大きな拍手を浴びたムロは「この完成披露試写会が、皆さまにとって素敵な思い出になれば」とあいさつすると「最初に自己紹介でわたしが花道を歩いたということは、次からの人が楽しみですね」と登壇者に軽くプレッシャーをかける。
周囲を見渡し戸惑っていた岸井も意を決したかのように花道を歩くと、その後若葉、吉村、柳も続く。さらに吉田監督も率先して花道に向かうと「去年は『空白』でいろいろな賞をいただきました。いま注目の吉田でございます」と自画自賛のあいさつで会場を盛り上げていた。
そんなサービス精神あふれるムロは「いつもは“賑やかムロ”ですが、この撮影の現場では“ムロ静か”でした」といつもと撮影現場での居方が違ったことを明かす。「役柄で相手と距離を置くというようなことは、照れくさくてやったことがなかったのですが、今回は吉田監督が書かれた脚本の世界にどっぷりつかってみようと思ったんです」と理由を説明するムロ。一方、岸井は「ムロさんがそんな感じだったので、わたしは吉田監督とワイワイやっていました」と撮影を振り返っていた。
吉田監督いわく、本作の撮影が行われたのは2年前。吉田監督は「脚本を書いた当時は、YouTubeって規制が厳しくて悪口とか言ったらBANされて、縮小していくと思っていたんです。でも今は、よりひどくなっていますよね。まさにこの映画とマッチするような時代になってしまった」と当時を振り返りながら、「今の事情に影響を受けて作ったんじゃないですからね。時代が俺をパクっているんですよ」とアピールしていた。(磯部正和)