「けいおん!」山田尚子監督のオリジナル最新作「Garden of Remembrance」来年公開
「けいおん!」シリーズや『映画 「聲の形」』などの山田尚子監督のオリジナル最新作「Garden of Remembrance」が、2023年にリリースされることが明らかになった。
アニメーション制作はサイエンスSARU、キャラクター原案は漫画家の水沢悦子(漫画「花のズボラ飯」作画担当ほか)が務め、音楽はシンガーソングライターのラブリーサマーちゃんが書き下ろす。併せて披露されたイメージビジュアルには、3輪のアネモネの花が描かれている。
山田監督は本作について、「きみ」と「ぼく」と「おさななじみ」が登場するとコメント。「考えたり、思ったりする気持ちは、どこに行くのだろう」「出来うる事ならば、望む限り消えずにずっと在っていてほしい」と作品に込める思いを語っている。
6月15日に開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭内のイベントでは、コンセプトや制作過程を紹介した山田監督。サイエンスSARUのチェ・ウニョンプロデューサーから、音楽を軸にしたショートフィルムを制作しないかと声をかけられたことがきっかけで、企画が立ち上がったという。
楽曲については何も決まっていない中、山田監督が挙げたのが“無敵な女の子という感じがする”というラブリーサマーちゃん。コンセプトも、二人で出し合ったキーワードをまとめる形で一つのポエムを作り、そこから山田監督がフィルムを、ラブリーサマーちゃんが音楽を制作しているという。
登場するキャラクターについては、山田監督の希望で水沢にオリジナルのキャラクター原案を依頼。水沢の描く女の子の魅力を「生きている女の子らしい匂いを感じる。言うならば寝起きのヨダレの匂いのような生活感のある女の子をすごくキュートに昇華して描かれている」と話す山田監督。デザインにおいては「とにかくムチムチにしてください」というオーダーを重ねたというが、本作のテーマが「誰かが誰かを想っている、心の行き場はどこなんだろう」というクールなものであるため、背景やキャラクターについては対照的に「きれいで可愛い色」と「おいしそうであること」に特にこだわっていると明かした。(清水一)