『バズ・ライトイヤー』監督の猫愛が生んだロボット・ソックスに注目
映画『トイ・ストーリー』に登場する人気キャラクターのルーツを描いた、ディズニー&ピクサー最新作『バズ・ライトイヤー』(全国公開中)で、主人公のバズを助ける猫型ロボット、ソックス。かわいいだけではなく、さまざまな場面でバズを手助けする相棒が誕生した裏側には、監督を務めたアンガス・マクレーンの猫愛と、ある気づきがあったという。
本作で主役を務めるバズ・ライトイヤーは、『トイ・ストーリー』シリーズのアンディ少年が夢中になった映画の主人公という設定で、“おもちゃのバズ”とは違う、人間のスペース・レンジャー。責任感が強く他人に頼るのが苦手なバズは、自分の力を過信したために、1,200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。失敗を取り戻そうとするバズは、はるか遠い地球に帰還するためのハイパー航行を何度も繰り返すが、そんな彼を猫型友だちロボットとして支えるのがソックスだ。
監督のアンガス・マクレーンは、もともとが大の猫好き。「ソックスのアイデアがどこから来たのかというと、僕が猫が好きというところ」というが、登場の理由はそれだけではなかった。「ピクサーの映画に猫があまり出ていなかったので、思いついたんだ。犬はたくさん出ていたけれど、猫はこれまであまりいなかったんだよ」
『トイ・ストーリー』シリーズには、おもちゃのスリンキーやアンディ少年の飼っているダックスフントのバスターが登場する。さらに『カールじいさんの空飛ぶ家』に登場するのも犬のダグ。ピクサー作品には犬のキャラクターが数多く登場してきたが、猫のメインキャラクターがあまりいないことに着目したという。
そんなソックスは、ただの会話ができる猫型ロボットではなく、超ハイスペックを誇るキャラクター。高度な計算にプロジェクター機能、万能レーザーや時には口から攻撃することも可能で、その活躍ぶりは『スター・ウォーズ』のR2-D2をほうふつさせる。
ソックスの物語における重要性については、バズを演じたクリス・エヴァンスも「バズとソックスのコンビは大好きだよ。孤独な男が、心の支えとなる猫と一緒にいるという関係はとても良い。自分が見逃していたかもしれない問題を提示してもらうためにも、ソックスは必要なんだ。バズみたいなしっかりした人がソックスを必要としているというこの状況が、僕は好きさ」と熱弁している。子供心をくすぐるメカやロボットが登場する本作にあって、キュートな猫ロボットのソックスは、ピクサーの新たなマスコットとして、長く愛されるキャラクターとなりそうだ。(編集部・入倉功一)