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『学校の怪談』午後ローで放送 色あせないジュブナイル・ホラーの傑作をもう一度

テケテケも忘れ難い
テケテケも忘れ難い - (C) 1995 東宝

 映画『学校の怪談』(1995)がテレビ東京の映画番組「午後のロードショー」で7月22日の13時40分より放送される。

 本作は、社会現象にもなった『学校の怪談』シリーズの記念すべき第1作。さまざまなメディアミックス展開を見せた常光徹の児童書や、日本民話の会による漫画シリーズを原作に、終業式の日に旧校舎に閉じ込められてしまった子どもたちと先生が体験する超常現象が描かれる。当時、学校の怪談話は子どもたちの間でブームとなっており、1994年放送の同名のテレビシリーズには黒沢清中田秀夫鶴田法男清水崇矢口史靖といったのちの巨匠たちもスタッフに名を連ねていた。

 1995年は『トイレの花子さん』も公開されるなど、一大ブームとなった学校の怪談話。そんな最中に公開されたのが、その後に人気シリーズにもなっていく映画『学校の怪談』の第1作。監督を『愛を乞うひと』『しゃべれども しゃべれども』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』などの平山秀幸、脚本を奥寺佐渡子が担当した。奥寺は映画『お引越し』『八日目の蝉』やドラマ「リバース」「わたし、定時で帰ります。」「最愛」などのほか、細田守監督のアニメ作品でもその名を知られる。

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 『学校の怪談』には、メリーさんやトイレの花子さん、口裂け女などのお馴染みのモチーフが登場。古い木造校舎や使われなくなった理科室というロケーションや夏休み前のソワソワした雰囲気など、ノスタルジックなムードに包まれている。テケテケや巨人といった手作り感のあるローテクな特撮も懐かしさのある作品のテイストにマッチ。鏡を使った演出やカメラワークの巧みさも効果的に用いられている。一方で、襲い掛かる人体模型やクリーチャーに変身するインフェルノといった存在はホラーな要素を高めている。ちなみにクリーチャーデザインには寺田克也が参加していた。

 そんな『学校の怪談』の魅力を支えるのが子どもたちが成長していく物語。出演した子どもたちは700人が参加したオーディションで選ばれた。それぞれに悩みを抱えた子どもたちは、旧校舎での体験を通じて大人へと近づいていく。そんなジュブナイルの王道を行くストーリー展開は胸を締め付けられるような懐かしさに満ちている。また、頼りない優柔不断な小向先生(野村宏伸)も成長を遂げる姿も、かつての子どもだった大人に刺さるポイントだろう。

 物語に神秘的な雰囲気を添えたのが、子どもたちのなかで最年長の香織。演じたのは岡本綾で、この後には『いちご同盟』でもヒロインを務めたほか、連続テレビ小説「オードリー」ではヒロインに抜てきされた。この傑作ジュブナイル・ホラーに欠かせない存在となっている。(編集部・大内啓輔)

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