阿部寛、主演映画で華麗なドラム演奏披露も「最初は断ろうと思った」
俳優の阿部寛が28日、イイノホールで行われた映画『異動辞令は音楽隊!』の完成披露試写会に出席。劇中、阿部はドラムの生演奏を披露しているが、まったくの未経験だったことから「最初は断ろうと思っていたんです」と裏話を披露した。イベントには共演者の清野菜名、磯村勇斗、高杉真宙、見上愛、内田英治監督も出席した。
Official髭男dismの主題歌入り『異動辞令は音楽隊!』予告編
本作は、映画『ミッドナイトスワン』などの内田監督が脚本を手掛けたオリジナル作品。捜査一課で現場一筋の警部補・成瀬司(阿部)が、音楽警察隊に異動になり、さまざまな思いを抱えた警察官たちと音楽を共にするなかで変化していく姿が描かれる。
これまでまったくドラムの経験がなかったという阿部。吹き替えなしでの演奏が今回のルールということで「最初は叩くものが多くて、どれを叩いていいのかわからなかったところからスタートしました。ゴムパットを買ってきて木魚を叩くように練習して、結局3か月ぐらいはやりました」とかなりの練習を積んだことを明かす。
練習の成果もあり、劇中では見事な演奏を披露している。警察音楽隊の一員・来島春子を演じた清野は「『格好よかったです』という簡単な言葉で片付けちゃいけないぐらいすごかった。どんどんアップデートしていく阿部さんの姿は尊敬でした」と羨望の眼差しを向ける。同じく音楽隊の一員・北村を演じた高杉も「阿部さんがドラムを叩いている姿を生で見られただけでも、この映画に参加できて良かったと思えました」と大絶賛していた。
そんな阿部だが「まったく演奏もしたことなかったし、最初は断ろうと思ったんです」と率直な胸の内を明かすも「でも『ミッドナイトスワン』を撮られた内田監督が次にどんな映画をやるのかすごく興味がありました。劇中の成瀬自身も挑戦していく男なので、同じような気持ちでやればいいんだ」と気持ちが変わったという。
本作は、先日行われたニューヨーク・アジアン映画祭でワールドプレミア上映され、阿部はスター・アジア賞を日本人で初受賞。阿部は現地で流ちょうな英語でスピーチも行った。現地では「日本とは違うシーンでけっこうウケていたと聞きました」と好印象だったことを明かし、内田監督も「オープニングから『そこでウケるんだ?』というぐらい。いろいろな反応を見られて嬉しかったです」と笑顔を見せた。
この日が日本での初お披露目となる。阿部は「先日ニューヨークに行かせてもらって、ほとんどの人がマスクをしていないことにびっくりしました。まだ日本ではマスクの生活ですが、早く皆さんのお顔の表情が見られる日が来るといいなと思っています」と語ると「いまはマスク越しですが、泣いたり笑ったり……いろいろなことを感じていただければ」と観客に声をかけていた。(磯部正和)
映画『異動辞令は音楽隊!』は2022年8月26日より全国公開