ライアン・ゴズリング、マーベル入りの可能性は?ルッソ兄弟に聞く
映画『アベンジャーズ』シリーズで知られ、Netflixのアクション大作『グレイマン』を手掛けた兄弟監督のアンソニー・ルッソとジョー・ルッソが、主演のライアン・ゴズリングと敵役を務めたクリス・エヴァンスの魅力と共に、ライアンのマーベル映画出演の可能性について語った。
『グレイマン』は、マーク・グリーニーの小説「暗殺者グレイマン」を原作に、組織を揺るがす陰謀に巻き込まれる、CIAの雇われ工作員の戦いを描くアクション大作。『アベンジャーズ/エンドゲーム』のクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーが脚本を手掛け、存在のない”グレイマン”として任務をこなす暗殺者シエラ・シックスをライアンが、彼を追い詰める敵役ロイド・ハンセンをクリスが演じている。
以前からライアンとのタッグを願っていたというジョーは「世界中のクリエイターがそうだと思いますが、ずっとライアンにひかれていました。さりげない表現ができる俳優であり、エキセントリックなキャラクターを演じることも、愉快な役もこなせる。肉体的にも申し分なく、緊張感の必要な場面では信憑性のある演技ができます」と絶賛する。
組織きっての実力を誇るシックスだが、任務をただこなすロボットではなく、冷徹になりきれない一面があり、そのことがきっかけでCIAから追われる羽目になる。ジョーは「シックスは、内面を知らないと、ただの冷酷な人間に思われてしまう可能性も高い、難しい役でした。しかしライアンは、彼の繊細な一面も巧みに表現してくれた」というジョー。「タフであり、面白くも温かくもあり、カリスマ性もある。ライアンであれば、観客に演じるキャラクターの歩んできた人生をしっかりと伝える俳優として適役だと思ったのです」と語る。
多くの人気俳優と同じように、ライアンもマーベル映画への出演が望まれる俳優のひとり。以前から、彼がマーベルヒーローを演じるという噂がささやかれ、本人もポッドキャスト番組 Happy Sad Confused 内でマーベルヒーロー役への興味を告白。さらにマーベルスタジオ社長のケヴィン・ファイギも「MCU(マーベルシネマティック・ユニバース)にライアンの居場所を作りたいよ」とMTV Newsに語っている。
ルッソ兄弟も、ライアンがマーベルヒーローになる可能性は高いと思っているようだ。「ライアンならマーベルヒーローを演じられるでしょう。実際にオファーもあったのではないかと思います」というジョーは「特に彼は今、役者人生において、スペクタクルなエンターテインメント作品を楽しむ時期にいると思っています。バービーの実写映画でケン役をやっているし、(往年のアクションドラマの映画化)『フォール・ガイ(原題)Fall Guy』という作品もやっている。その後でMCUに参加することに興味を示すのではないでしょうか」
そんなライアンと対決するロイド役に挑んだのが、キャプテン・アメリカ役でルッソ兄弟とタッグを組んだクリス。高潔なキャップのイメージから一転、本作では、目的のためなら犠牲もいとわない、クレイジーな悪役を嬉々として演じている。「彼の悪役ぶりを見るのは最高でしたね。もともと素晴らしい俳優であり、ロイドにエキセントリックな要素を加えて、カオスをあおる、他者への思いやりが全くない、徹底した個人主義者を巧みに表現してくれました。ずっとキャプテン・アメリカをやってきた彼にとっても、映画をリードする主役以外の役どころはかなり楽しめたんじゃないかなと思います」
「二人とも知的で経験豊富な俳優であり、お互いから一番良い演技を引き出すことにも長けているんです。良い俳優と仕事をする利点はそこにあり、彼らもそれがわかっている」というアンソニーは、真逆のキャラクターを演じる、ライアンとクリスの共演こそがこの映画の核だったと語っている。「シックスは、自分をコントロールできる冷静で非常に謙虚な男。一方のロイドは、向こう見ずで常に怒っている。水と油のようなキャラクターを二人が演じた時に、ピッタリと相性が合い化学反応が起きた。この作品の一番鍵となる部分を見事に演じてくれました」(編集部・入倉功一)
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