田中圭、亡き母への思い「この姿、見たかったんじゃないかな」
俳優の田中圭が20日、都内で行われた映画『ハウ』の公開記念舞台あいさつに、撮影を共にした俳優犬のベックと出席し「母ちゃんはこの舞台あいさつ、見たかったんじゃないかな」と思いを語った。舞台あいさつには、池田エライザ、モトーラ世理奈、長澤樹、宮本信子、犬童一心監督も参加した。
本作は、『グーグーだって猫である』シリーズなどの犬童一心監督がメガホンをとり、保護犬と一人の気弱な青年の絆を描いたヒューマンストーリー。田中は婚約者に振られてしまい、一人寂しい日々を過ごす役所職員・赤西民夫を演じた。
撮影を共にしたハウ役の俳優犬・ベックを連れて登壇した田中。「今日は少し興奮していますね」とベックの変化を述べると、「ご覧の通り白くてフワフワしていて、食べちゃいたくなるようなかわいさですが、撮影中はしっかりとベックにお芝居をさせてあげなければという気持ちでした」と撮影現場では俳優犬として接していたと明かす。
それでも田中は、撮影が終わりプロモーション活動で顔を合わせると「とにかくただかわいがることができるので……」とうれしそうにベックの頭をなでる。そんなベックを懐かしそうに見つめる宮本は「わたしは猫をずっと飼っていて、小さい頃、野良犬に追いかけられた記憶があったので、実は犬が苦手だったんです」と告白すると、「でも脚本が素晴らしく、犬童監督とも以前お仕事をしていたので引き受けました。それにとてもベックは人懐っこくて気立てがいい。お芝居も上手でした」と大ベテランもベックの演技に太鼓判を押していた。
劇中では、民夫のためにハウは大冒険を繰り広げる。そんなハウの姿に田中は「本当にキュンキュンしてしまう」と目じりを下げると、池田も「ハウが一匹になった時の後ろ姿が哀愁たっぷりで、胸がグッとなります。どんな生き方をしてきたらあんな背中になるんだろう」と感嘆。宮本も「ハウの一途で一生懸命なところに胸を打たれますね」と語っていた。
また田中は「もう会えませんが、うちの母ちゃんはめちゃくちゃ犬好きだったんです」とつぶやくと、「散歩している犬に会うと、飼い主じゃないのにすごくかわいがる人だったんです。自分がこうしてベックと一緒に舞台あいさつをしている姿を見たかったんじゃないかな」と亡き母への思いを語っていた。(磯部正和)
映画『ハウ』は公開中