竹内涼真&横浜流星の魅力とは?『アキラとあきら』監督が感じた違い
公開中の映画『アキラとあきら』でダブル主演を務める竹内涼真と横浜流星の魅力について、三木孝浩監督が語った。
竹内涼真&横浜流星のスーツ姿がカッコ良すぎる!『アキラとあきら』【写真】
ベストセラー作家・池井戸潤による同名小説が原作の本作は、父親の経営する町工場が倒産し、幼くして過酷な運命に翻弄(ほんろう)されてきた山崎瑛(竹内)と、大企業の御曹司ながら次期社長の椅子を拒絶し、血縁のしがらみに抗い続ける階堂彬(横浜)が、情熱と信念を武器に社会に立ち向かう姿を描く。
本作のキャスティングは、プロデューサーがメインとなり決めていったそうだが、三木監督は「『アキラとあきら』を若い2人でやりたいというのがありました。(竹内と横浜)二人の名前が出たときに、山崎と階堂のキャラクター性が、それぞれの素の感じに近いなと思ったので、すごくベストなキャスティング」と感じたという。
三木監督は、『青空エール』(2016)で竹内と、『きみの瞳が問いかけている』(2020)で横浜とタッグを組んだことがある。「それぞれの主演作を撮ったことがあるのですが、役者としての矜持というか、アプローチがやっぱり違うなと思っていました」と明かす。
2人に感じた違いとはなにか。「横浜くんは、感情の揺らぎを自分の内側を揺らして、キャラクターの感情表現をしていくタイプ。この若い世代でそういったお芝居をする人があまり居ないなと思っていて。感情の機微まで、繊細に表現をする俳優さん。竹内くんの方はどちらかというと、“こうだ”と思った自分の芯を芝居でぶつけていく。直球で攻めていくという感じが、山崎瑛らしい」と監督は分析する。
役へのアプローチが異なる2人による相乗効果を期待していたといい、「作品にすごくいい作用を及ぼすんじゃないかなと。タイプの違う2人、というのが色濃く出せる。だから、最初の対立構造がむしろ面白い」と考えていたそうだ。
また、銀行員というこれまでにない役どころに挑戦した2人について、「台詞回しとか、言葉遣いや所作をいろいろと勉強していて。2人とも一生懸命やってくれてました。竹内くんは知り合いに銀行員の方がいて、自分で自主的に話を聞いて『いまの銀行員の方は、こういう言い回しをするみたいなんですけど、例えばこのセリフの言い方を変えても良いですか』と本人から提案があった」と振り返る。
以前タッグを組んだ時からと比べて竹内の成長を感じたようで、「竹内くんは、『青空エール』でご一緒したのですが、そこから主演作を何本も重ねられて。自分ひとりが芝居をするんじゃなくて、主演を張る座長として、ちゃんと映画全体を見渡している。責任感と覚悟を感じました。すごく頼もしかったです」と称賛する。
一方の横浜については、「一回、銀行のレクチャーみたいなものを銀行監修の方にやっていただいたんですけど、本人自ら『やっぱり一日だとなかなか把握しきれないので、もう一度レクチャーを受けさせてください』と希望がありました」と回顧する。
それぞれ違う熱さを持つ2人の魅力が遺憾なく発揮されている本作。「それぞれが違う熱さで観客を魅了するようなお芝居をしているので、そういうところを観てもらいたいです。あとは、やっぱり2人のファンには、スーツ萌えを楽しんでもらって(笑)。しかも、成長するにつれて、着こなしも変わる。男から観てもかっこいいスーツ姿を研究したので、そこもぜひ観ていただきたい」と笑顔を見せていた。(編集部・梅山富美子)