ずん飯尾、監督の要望で高倉健のイメージ目指すもダメ出し
お笑いコンビずんの飯尾和樹が31日、六本木で行われた映画『沈黙のパレード』(9月16日公開)のジャパンプレミアイベントと完成披露舞台挨拶に出席。本作でパブリックイメージとは真逆のキャラクターを演じた飯尾は、メガホンをとった西谷弘監督から「高倉健さんのように」という演出を受けたことを明かした。舞台あいさつには主演を務めた福山雅治をはじめ、柴咲コウ、北村一輝、戸田菜穂、田口浩正、川床明日香、出口夏希、岡山天音、檀れい、椎名桔平も出席した。
ベストセラー作家・東野圭吾の人気シリーズを連続ドラマ化した「ガリレオ」シリーズの劇場版第3弾となる本作。行方不明になっていた女子学生が数年後に遺体となって発見された事件を追う警視庁捜査一課の刑事・内海薫(柴咲)と草薙俊平(北村)が、物理学者である湯川学(福山)の手を借りながら捜査に奔走する。
飯尾は、殺害された女子学生の父で、菊野商店街の定食屋「なみきや」を営む並木祐太郎を演じている。劇中、娘を失った怒りや哀しみを背負って生きていく姿が描かれおり、人懐っこいキャラクターでお茶の間の人気を博しているお笑い芸人の顔とはかけ離れた表情を見せる。
監督から「幸せだったものが脆くも崩れて悲しみを背負う役、高倉健さんのイメージで演じてください」と演出を受けていたという飯尾。しかしそこはお笑い芸人としての職業柄か「時々ボケを入れてしまう癖があって」とつぶやくと「娘の歌の才能を認めて(椎名と檀が演じる)新倉夫妻がスカウトに来たとき、怪訝そうにお茶を飲むシーンがあったのですが、リハーサルでつい『アチッ』って言ってしまったんです。そうしたら西谷監督から『そういうのはいいので。ずんを捨ててください』と言われてしまって」とダメ出しされたそう。
しかし、芝居の集中力は抜群だったようで、祐太郎の妻・真智子を演じた戸田は「眼鏡を外していらっしゃって、役になり切っていました。セットの柱に(川床演じる亡き娘)佐織の身長が書き込んであるのを見て『涙が出そうだよ』とおっしゃっていたんです。体で役を感じようとしていました」と撮影裏を明かすと、祐太郎の親友・戸島修作役の田口も「飯尾君がちゃんとお芝居を返してくれたので、リバーサルからしっかりお芝居ができました」と俳優としての姿勢を絶賛していた。(磯部正和)