川村壱馬『ハイロー』楓士雄から学んだこととは？
映画『HiGH&LOW THE WORST X（クロス）』（9月9日公開）で、圧倒的な強さと純粋で真っすぐな人間力で多くの人を魅了する花岡楓士雄役を務める川村壱馬（THE RAMPAGE）。本作への熱い思いや、演じた楓士雄から受けた影響などを語った。
川村壱馬“楓士雄”の笑顔！『ハイロー』鬼邪高メンバーの仲良しカット
本作は、『HiGH&LOW』シリーズと大人気コミック「クローズ」「WORST」がコラボした『HiGH&LOW THE WORST』（2019）の続編。鬼邪高（おやこう）全日制のトップとなった楓士雄（川村）の前に、天下井公平（三山凌輝／BE:FIRST・RYOKI）率いる瀬ノ門工業高校が立ちはだかる。
川村は、本作について「もともと続編があることは、前作の台本をもらった時点からだいたいはわかっていたので、撮影が決まった時は、やっと来たか！ という感じでした。この何年かいろいろなことがあって、それで止まっちゃった部分があったんですけど、ついにやっと撮影ができるんだ！ と感激しました」と喜びを口にする。
多くの人を夢中にさせた作品の続編ということで、プレッシャーはあったのだろうか。「前作をたくさん観ていただいたと聞いているので、最初は（前作との）比較という意識はどこかあったんです。でも、やっぱりやっているうちにシンプルに楽しい！ というのが勝っちゃってました」と振り返り、「久しぶりに鬼邪高のメンバー、鳳仙のメンバーと会えて嬉しかったです。コロナがあって、本当にに会ってなかったので。シンプルに好きなみんなに会えた。しかも、『ハイロー』のあの雰囲気で」と嬉しそうに語る。
そうして始まった撮影では、座長としての意識も変化。「前作で鬼邪高、鳳仙のみんなとつくった関係値、輪があって。今回、新キャストの方たちが多かったですが、その輪を広げて“みんなで良いものをつくろう”と座長としての意識みたいなところまで余裕が回った」
さらに、アクションの魅せ方も進化したそうで、「空手が体に染み付いてるので、最短距離・最速というのが、ちょっとだけ抜けきれない部分が前作ではあったんです。今回は、“どう見えているのか、こう撮っているからこの角度の高さで”と頭が勝手に理解して考えた通りに映る。だから、どうすればいいのかが自ずと自然な感覚でできたので、あまり苦労しなかったです」と前作やドラマの経験が活きたという。
力の強さだけではない、人としての本当の強さが問われる本作では、楓士雄の人間力が多いに発揮されている。そんな楓士雄について川村は、「“本気で本質を追い求めているやつなんだな”っていうのをすごくしみじみと感じて。より役を愛するきっかけにもなりました。上っ面じゃない、喧嘩が強いだけじゃない強さとか。そういう目に見えないようなところにある本当に大事なもの、本質のものを大事にしていて、知りたくて。人間味あふれる、心に厚みがあるようなキャラクターかな。あとは、すごく仲間を大切にする。自分も役から勉強になっている、学びを得ている部分があるんです。本当に仲間を大切にして、どんなヤツでも巻き込んで、っていう風にできる人望あふれるキャラクター」と熱弁する。
周囲を巻き込む力がある楓士雄から受けた影響は大きく、「やっぱり仲間を大事にすることころは大きいです。僕は空手を11年、ボクシングを2、3年とザ・個人競技をやっていて、自分の実力こそがすべて。信じられるものは自分の力と努力ぐらい。そういう世界で戦ってきて、（個人での考えや行動に）慣れている部分があった。今、グループをやらせてもらっていますが、（チームとしての）接し方が上手じゃない部分があったんです。楓士雄から、人が集まるとはどういうことなのか、などすごく学びを得ています。あの轟（洋介）ですら楓士雄に感化されてやさしくなった。そういうところを俯瞰から見て、“こういうところが人を変えるのか”と」と明かす。
そんな川村が考える本当の強さとは。「最近、座右の銘にしていることがすごく近い。“人にやさしく、己を律し、人にやさしく”。人にやさしくと2回言っているのは、とことんそうしろという意味です。最近はよく内観するんです。見つめ合うというか、自分を律することってやっぱり大事。それが人にやさしくできるきっかけだったり、強さだったりするのかな」と真剣な表情を浮かべる。
なにごとにも真っすぐな楓士雄と重なるような川村。人間関係を築く上で大切にしていることは「愛情ですね」とキッパリ。「もともと自分がすごく大事にしてること。好きという感情が原動力。間違いなくそれがないと僕は無理です。嫌だったら嫌だし。それは紙一重なんですけど、好きだったら好き。あまり口数の多い方じゃないですけど、本当に仲がいい人だったら口数の多くなるときもあるし。全部の好きなものを選んできたので、自分が嫌なことをしている瞬間とか、嫌いとかっていうものを日常に取り入れない」と持論を述べていた。
最後に、もし楓士雄以外を演じることができるなら、と言う質問には「えー、（悩む）そうですね……小田島？ 気怠い感じが好きなんです。でも、小田島はやっぱりあき（塩野瑛久）くんだな。でも、演じてみたい役……なんかもう楓士雄以外はハマらない気が。楓士雄がもう自分の中でも定着しているので、この作品に出る俺と言えば、もう楓士雄しかない」と役への愛情を示していた。（編集部・梅山富美子）