大竹しのぶ、予告なしで「鎌倉殿の13人」登場!老けメイクで歩き巫女に変身
11日に放送された小栗旬主演、三谷幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)第35回で、大竹しのぶがシークレット出演者として予告なしに登場。特殊メイクを施して強烈な風貌の歩き巫女にふんし、「最初わからなかった」「すごかった」「さすが」と視聴者を驚かせた(※以下ネタバレあり)。
本作は、野心とは無縁だった伊豆の若武者・北条義時(小栗)が鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学んだのち、武士の世を盤石にした二代執権に上り詰めていく物語。第35回のエピソードタイトルは「苦い盃」。タイトルバックに大竹と役名が映し出されると、ネット上では「え!?」「大竹しのぶさん!?」とざわついていた。
歩き巫女が登場したのは、実朝が御所を抜け出して和田義盛(横田栄司)を訪れた時のこと。実朝は後鳥羽上皇(尾上松也)のいとこ・千世(加藤小夏)を妻に迎えるも、沈んだ様子。そこで義盛は、実朝を元気づけるために「面白いところへお連れしましょう」と“おばば”と呼ぶ人物のもとへ連れて行った。義盛いわく“おばば”は名うての歩き巫女で、彼女の占いは「面白いように当たる」らしい。義盛が「俺の甥っ子たちだ」と泰時(坂口健太郎)、その従者・鶴丸(きづき)、実朝を紹介すると、長い白髪の“おばば”はしわがれた声でぶつぶつ呪文を唱え、泰時がすごろくが苦手であることを言い当てた。そして実朝に「雪の日は出歩くな。災いが待っている」と助言し、「悩みがあるのであろう……」と耳を傾けた。
「妻をめとったが、わたしの思いとは関わりのないところですべて決まった」と憂う実朝に、“おばば”は「お前の悩みはどんなものであっても、それはお前ひとりのものではない」と遥か昔から先人たちも同じ悩みを抱えてきたこと、そしてこれからも同じことで悩む者がいるのだと諭した。実朝はこみ上げるものがあったのか、涙を浮かべて聞き入っていた。
「悩みは誰にでもある。わしにもある。年を取って肘があごにつかなくなった……」とトボけた味わいも醸す不思議な“おばば”。大竹は本キャラクターを「いかようにもやれるというか、おかしくもできるし、怖くもできるし。ちょっとおかしなセリフの言い回しとかもあるんですけれども、ただひとつだけ、三谷さん作品によくある、そこに隠されている真実のようなもの、それはちゃんと伝えなければいけないと思いました。でもおもしろいところもないとつまらないし、おもしろさ7、深み1、あとは勢い、みたいな感じですかね(笑)」と収録現場に寄せたコメントで紹介している。
大竹は、三谷作品では2014年の舞台「抜目のない未亡人」や、2015年の映画『ギャラクシー街道』などに出演。昨年2月には三谷と大竹による、1日限りのリーディング企画が行われた。
大竹のコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
大竹しのぶ
<歩き巫女について>
いかようにもやれるというか、おかしくもできるし、怖くもできるし。ちょっとおかしなセリフの言い回しとかもあるんですけれども、ただひとつだけ、三谷さん作品によくある、そこに隠されている真実のようなもの、それはちゃんと伝えなければいけないと思いました。でもおもしろいところもないとつまらないし、おもしろさ7、深み1、あとは勢い、みたいな感じですかね(笑)。
<演じてみて>
ちょっと不思議な感じはあってもいいかなと思ったんですけど、本当だったら100歳くらいの方がやれれば一番いいような役なので、「私でいいのかな」というのはありますけれども。でも特殊メイク担当の江川(悦子)さんもすごく凝ってくださって、それがすごく自然にできていたので楽しかったです。
<源実朝の悩みを聞くシーンについて>
勇気をあげたいというか、真実を伝えることでそれが実朝の生きる勇気になればいいなというのは思いましたね。「それが世の常なんだ」という真実を伝える役目という感じですかね。