岸井ゆきのがボクサー熱演『ケイコ 目を澄ませて』初日決定&予告編公開
岸井ゆきのが、聴覚障害と向き合いながらプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルにした主人公を演じる映画『ケイコ 目を澄ませて』の初日が12月16日に決定し、予告編とポスタービジュアルが公開された。
本作は、実在のプロボクサー、小笠原恵子さんをモデルに彼女の生き方に着想を得たストーリー。『きみの鳥はうたえる』の三宅唱がメガホンをとり、「逃げ出したい、でも諦めたくない」という矛盾した感情に葛藤しながらひたむきに生きる主人公ケイコを16mmフィルムで捉える。生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえない主人公ケイコを岸井ゆきのが厳しいトレーニングを重ねて熱演。ケイコに寄り添うジムの会長に三浦友和がふんするほか、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、中島ひろ子、仙道敦子らが脇を固める。本作は、2月に開催されたベルリン国際映画祭でプレミア上映され、釜山国際映画祭など多くの映画祭で上映されている。
予告編に収められているのは、秀でた才能を持つ主人公としてではなく、不器用に歩みを進める等身大の女性として描かれるケイコの姿。嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムを拠り所にしている。トレーナーに「痛いのはきらい」と伝えると「正直やな」とツッコまれ、弟から気持ちを聞かれると「どうせ人はひとりでしょ?」と突っぱねる。そんな彼女の悩みは尽きず、「一度お休みしたいです」と会長にしたためた手紙を渡すことができず、想いを伝えられないまま、ある日ジムが閉鎖されることになる。
終盤には、「才能はないけど、人間としての器量がある」と誰よりもケイコの実直さを認める会長とシャドーボクシングをするケイコが、涙をこらえて拳を突き出す姿も。ポスタービジュアルには、リングのふちに座り強いまなざしを向けるケイコが収められている。(編集部・石井百合子)
映画『ケイコ 目を澄ませて』は、12月16日よりテアトル新宿ほか全国公開