患者400人を殺害したとされる看護師…何が彼をそうさせたのか
第47回トロント国際映画祭
ジェシカ・チャステインとエディ・レッドメインというオスカー俳優二人が共演したサスペンス映画『グッド・ナース』のワールドプレミアが、第47回トロント国際映画祭で行われた。同名ノンフィクション本を基に、400人もの患者を殺害したとされる看護師チャーリー・カレンにエディがふんしている。
物語は、シングルマザーの看護師エイミー・ロフラン(ジェシカ)が働く病院にチャーリーがやって来るところから始まる。心臓の病を抱えるエイミーにとって夜勤の看護師の仕事はハードすぎるものだったが、医療保険のために働かざるを得なかった。そんな彼女のサポートを買って出たのが穏やかで優しいチャーリーで、二人は友情を育んで家族ぐるみの付き合いに。そんな中、患者の不審死が相次いで発生し、警察からチャーリーに疑いがかかっていると聞かされたエイミーは、患者の命を守るため真相に迫っていく。
チャーリー・カレンは29人の殺害を認めて終身刑となっているが、実際の被害者は400人にも上るとみられている。脚本は『1917 命をかけた伝令』のクリスティ・ウィルソン=ケアンズで、監督は『偽りなき者』『アナザーラウンド』などトマス・ヴィンターベア作品で共同脚本家を務めてきたトビアス・リンホルム。リンホルム監督はチャーリーがなぜこれほどまで長きにわたって患者を殺し続けることができたのか、民営化された病院の問題点もまざまざと映し出している。
思いやりに満ちているのに恐ろしい、相反する二つの顔を持つチャーリーを見事に演じたエディは「リソースがたくさんあったことが役立った。原作にはチャーリーの人生が子細に記されているし、エイミー(・ロフラン)本人に話を聞くこともできたから。エイミーには、チャーリーの優しさや穏やかさ、自虐的なユーモアの才能など教えてもらった」と明かす。ジェシカと一緒に看護学校で訓練を受けたほか、方言コーチとダンサーの助けも借りてチャーリーに近づいたと振り返っていた。(編集部・市川遥)
映画『グッド・ナース』は10月26日よりNetflix独占配信
第47回トロント国際映画祭は現地時間18日まで開催