清野菜名&松坂桃李、完成まで2年以上『耳をすませば』お披露目に感激
清野菜名と松坂桃李が28日、千代田区九段南のイタリア文化会館で行われたダブル主演映画『耳をすませば』ジャパンプレミアイベントに来場し、完成までに2年以上かかった本作がいよいよお披露目となり、感無量の様子を見せた。この日は内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来、平川雄一朗監督も来場した。
【画像】実写『耳をすませば』大人&中学生キャストたち!イベントの様子
スタジオジブリによる長編アニメでも知られる、柊あおいの同名コミックを実写映画化した本作。それぞれに夢を追いながら惹(ひ)かれ合う少年少女の淡い恋模様を、その10年後の姿も交えながら映し出していく。清野が出版社で児童小説の編集者となった雫、松坂がチェリストになる夢を追い求めイタリアで暮らす聖司をそれぞれ演じている。
2020年3月にクランクインした本作は、コロナ禍における中断などを経て、2022年5月にようやくクランクアップ。2年以上の歳月を経てようやく完成した本作がお披露目となったことに「無事に今日を迎えられて本当にホッとしております」と切り出した清野は、「すごく長い年月がたったんですけど、ようやくこうやって皆さんに観ていただける日を迎えられて。本当にスタッフの皆さま、そして今日を楽しみに待ち続けてくださったファンの皆さまにも感謝の気持ちでいっぱいです」と晴れやかな表情を浮かべる。
さらに「撮影が止まった間にもほかの作品を撮ったりはしていたんですけど、その間もずっと雫ちゃんが頭のどこかにいるという2年半でした」と続けた清野は、クランクアップの際に感極まってしまったということについて「今年の5月のクランクアップの時も、スタッフの皆さんもお忙しい方ばかりなのに、現場に各部署、2年半前と同じ皆さんが集まってくださって。それにすごく感動しました。この2年半という長い思いと、現場の温かさに涙がすごく溢(あふ)れてしまいました」としみじみ付け加えた。
一方の松坂も感慨深い様子で、ジブリアニメでも知られる聖司という役柄について「この役をいただいた時は本当にプレッシャーに押しつぶされそうで」と振り返った松坂だったが、「ただこの10年後という設定のお話を聞いたときに、雫と聖司の10年後を見ることができるのかという興味の方が大きくて。そのプレッシャーを後押ししてくれるような、そういった原動力になりましたね」とコメントした。
さらに「それこそ皆さんがアニメーションとかで見ていた聖司くんですが、台本では10年後の、もう少し幅が広がったところが描かれていたので、そこちゃんと自分の中で表現できるように。子どもの頃にプロになるよと雫と約束したけど、やはりプロの壁にぶち当たり、思い悩む不安とか葛藤のような、揺れ動く気持ちみたいなものもちゃんと大事にすることで、天沢聖司の新たな一面をちゃんと表現できるのではないかと思いました」と明かした。
また、中学生時代のキャスト陣への演出として「(そのままだと)真ん中の3人(大人のキャスト)に追いつかないから、リハーサルを何度もしましたね」と振り返った平川監督。中学生キャスト陣が口々に「平川監督には厳しかった」と回顧し、「そんなに厳しくしてないよ」と苦笑いの平川監督だったが、中でも一番大変だったと振り返る荒木も「監督からいろいろとアドバイスをしてもらったおかげで自分なりの杉村を見つけることができた。その後に監督から良かったよと言ってもらった時は泣きそうになりました」と監督に感謝するひと幕も。
中学生時代の聖司を演じた中川も「リハーサルが本当に大変でしたが、そのおかげで少しはスムーズに動けたかなと思います。(松坂)桃李さんがチェロを弾いている時に、清野(菜名)さん演じる雫の方に目線を向けるというしぐさをするんですけど、僕もできるだけそこに近くなるように演じました」と述懐。そのかいあって、カメラマンからも「今、松坂桃李に見えたよ」と言われることもあったとのことで、うれしそうな笑顔を見せる中川だった。
そんなイベントもいよいよ終盤。最後のコメントを求められた松坂は「こうやって『耳をすませば』をお届けできること、すごくうれしく思います。期待していただいていいです。それくらい自信のある作品になっております。公開までまだ時間があるので、ぜひ広めていただけたら」とあいさつ。さらに清野も「2年半の思いがギュッと詰まった作品になっています。『耳をすませば』の原作をリスペクトしたシーンもたくさんちりばめられていますので、ぜひ皆さん、キュンキュンしながら楽しんでください」と呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)
映画『耳をすませば』は10月14日より全国公開