満席続出!ウォン・カーウァイ5作品4K上映、最もヒットしているのは?
ウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』『花様年華(かようねんか)』『2046』の5作品を4Kレストア版で上映する「WKW 4K」が大ヒット中だ。
本企画は、トニー・レオンが第53回カンヌ国際映画祭主演男優賞を獲得した『花様年華』(2000)の制作20周年を記念し、監督自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトから、5作品を上映するもの。8月19日から10月5日までの観客動員・興行収入は、『恋する惑星』が2万5,103人・3,641万9,910円、『天使の涙』が1万2,042人・1,691万9,180円、『ブエノスアイレス』が1万3,472人・1,876万6,890円、『花様年華』が1万2,901人・1,804万1,390円、『2046』が6,003人、811万7,090円。合計で6万9,521人・9,826万4,460円、興行収入は1億円に迫る。客層の男女比は4:6でやや女性が多め、年齢層は5作品をリアルタイムで観ていた40代、20代から30代の若者がメインだという。
本企画のヒットを受け、シネマート新宿、立川シネマシティ、シネマート心斎橋では続映し、10月に突入。9月30日をもって閉館となったテアトル梅田では最終日も『恋する惑星』が満席となり、翌10月1日からはシネ・リーブル梅田にムーブオーバーして上映を継続。福岡、名古屋、神奈川、静岡、そして先日9月30日より上映が始まった下北沢のK2などでも満席回が相次ぎ、上映決定館数は70館を突破した。
5作品の中でダントツのヒットとなった『恋する惑星』(1994)は、トニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武、ヴァレリー・チョウらが出演。別れた恋人を忘れられないなか麻薬の運び屋の金髪女性と一夜を過ごす警官223番、警官633番に片思いし偶然手に入れた鍵で彼の部屋に忍びこむ小食店店員のフェイ、2つを軸にしたストーリーが展開する。フェイ・ウォンが歌唱するクランベリーズのカバー曲、フェイ・ウォン演じるフェイが店内で爆音で流しているママス&パパスの「夢のカリフォルニア」など音楽も話題を呼んだ。
ウォン・カーウァイ監督は、新たな上映素材について「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが、ビデオ化の際に1.85:1に修正されました。そこで今回のレストアでは元のアスペクト比に戻しました。『天使の涙』は、元々意図していたスコープサイズに変更しています。当時はスタンダード画面で撮影したものをワイド画面に編集することは不可能でしたが、今回のレストアで実現することができました。また、『恋する惑星』は公開当時5.1chが存在しなかったため、今回5.1ch音声を再構成。『花様年華』もリミックスしています」と画面サイズや音声の修復についてこだわりを明かしている。(編集部・石井百合子)
「WKW 4K」はシネマート新宿ほかで公開中