トム・ハンクス主演『ターミナル』モデルの男性が空港で死去
スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画『ターミナル』(2004)のモデルとなったとされている、イラン出身の男性メフラン・カリミ・ナセリさんが、現地時間12日にフランス・パリのシャルル・ド・ゴール空港のターミナルで心臓発作により亡くなったと、Deadlineほか各メディアが報じた。
同サイトによると、ナセリさんは空港の第2ターミナルで心臓発作を起こし、医療チームによって死亡が確認されたという。亡くなった時点で70代後半から80歳だったといい、Varietyでは、イランの都市マスジェデ・ソレイマーンで1945年ごろに生まれたと見られると報じている。
イラン難民のナセリさんは、滞在していたベルギーから、フランス経由でイギリスに向かう途中で書類を紛失。紆余曲折を経て、1988年から同空港のターミナルが生活の拠点となった。その生活は2006年に入院するまで、実に18年に及んだという。映画『ターミナル』では、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港を舞台に、東ヨーロッパの小国からやって来たトム・ハンクス演じる主人公が、祖国の消滅によって出入国できなくなり、空港で暮らしながら周囲の人々と交流を深めていく姿が描かれた。
同空港の広報担当者は、CNNに対して、ナセリさんは施設での生活を経て、9月中旬ごろから空港に戻り、公共スペースで生活していたという。(西村重人)