佐藤二朗、最優秀男優賞に「初めて褒められた」バイプレイヤーの励みに - TAMA映画賞
俳優の佐藤二朗が26日、パルテノン多摩で行われた、第14回TAMA映画賞の授賞式に出席。映画『さがす』で最優秀男優賞を受賞した佐藤は「22年の俳優人生のなかで、今回初めて褒められる賞をいただいた。よくバイプレイヤーと言われますが、こういう賞をいただけると、そういった俳優の励みになるのかな」と感激した表情を浮かべていた。
『さがす』では、コミカルな場面からシリアスな場面まで、非常に奥行きのある父親役を務めた佐藤。「多面性のある父親役の多彩で濃淡をつけた演技は、観客を震撼させると共に感動に導き、役者としての凄みを見せてくれた」という受賞理由に対して「共演者、監督、プロデューサー、そして映画を観てくださった方々に大感謝です」と言葉をつむぐ。
佐藤は「31歳のときに映像の世界に入り、今年で22年になります」と語ると「俳優として唯一もらったことがある賞は“NG大賞”なんです。でも基本的にNG大賞はしかられるものですよね。僕は褒められるのは大好きなのですが、今回、初めてそういう賞をいただきました」と笑顔を見せる。続けて「よく僕はバイプレイヤーとか言われますが、こういう賞をいただけるのは、たくさんいるそういう俳優の励みになると思うし、もちろん僕自身の励みにもなります」と感無量の表情を浮かべていた。
賞に対して真摯に語る一方で、明るくユーモアにあふれた佐藤も健在。「どうしても思いついて言いたくなった」と前置きすると「今日は11月26日。“いいじろう”の日なんですよ」と、まさに受賞すべき日であったことを強調すると、佐藤の前に登場していた松坂から「場を温めておいて」とお願いをしていたことまでバラされて会場は大盛り上がり。さらに、最優秀女優賞を受賞した広瀬すずからも「二朗さんの次は(盛り上がった後なので)めっちゃ嫌だったんです」と言われ、苦笑いを浮かべていた。
TAMA映画賞は、映画ファンの立場から観客に活力を与えてくれるいきのいい作品・監督・俳優をいち早く届けたいという思いから立ち上げられた賞。2021年10月から2022年9月までに一般劇場で公開された作品および監督・キャスト・スタッフを対象に最優秀作品賞をはじめ各賞を選定する。(磯部正和)