『アバター』後どうしてた?スティーヴン・ラングの現在
『アバター』(2009)で惑星パンドラの資源開発をするRDA社の傭兵部隊の隊長クオリッチを演じたスティーヴン・ラングは、その後どうしていたのか? 現在までの活躍を紹介する。
スティーヴンは、現在70歳。『アバター』以降キャリアにもっとも大きな変化があった一人と言える。『アバター』前も、マイケル・J・フォックス主演の『ハード・ウェイ』(1991)、カート・ラッセル主演の西部劇『トゥームストーン』(1993)などに出演していたが、もとは舞台出身者。1991年にはブロードウェイの舞台「ザ・スピード・オブ・ダークネス(原題) / The Speed of Darkness」でトニー賞主演男優賞にノミネート。2004年から2006年にはニューヨークのアクターズ・スタジオの共同芸術監督を務めていた。
『アバター』に出演し、一気にブレイク。2010年のサターン賞助演男優賞を受賞した後は、映画出演作が増加。また、戦闘能力が高い盲目の老人を演じた『ドント・ブリーズ』(2016)が大ヒットして、続編『ドント・ブリーズ2』(2021)では製作にも参加。ほかにも、クリスチャン・ベイル主演の『荒野の誓い』(2017)、ピーター・ジャクソン製作・脚本のSF大作『移動都市/モータル・エンジン』(2018)などで活躍している。
また、2020年には、文筆業に進出。史実に基づきゲディスバーグの戦いで南軍兵士に救われた北軍中尉を描く初めての著作「ザ・ウィートフィールド(原題) / The Wheatfield」がゲティスバーグ財団から刊行された。
一方、私生活は『アバター』以後も変わらない。1980年に結婚した衣装デザイナーのクリスティーナ・ワトソンとの結婚は続いていて、ノア、グレース、ルーシー、ダンという2男2女がいる。普段はニューヨーク在住だが、新型コロナウィルスによるシャットタウン時期は、夫婦一緒に長女の家族の家で暮らし、6歳と4歳の孫との生活を楽しんでいた。
『アバター』のラストで命を落としたはずのクオリッチだが、続編となる『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(12月16日公開)では、人間の身体ではなくアバターのボディーを手に入れ、再びナヴィたちの前に再び立ちはだかるキャラクターとして登場する。(文・平沢薫)