Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔、極限状態の撮影で頼った大先輩とは？
Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が、主演を務める映画『そして僕は途方に暮れる』（1月13日公開）の撮影で追い込まれた際に頼った大先輩について語った。
本作は、藤ヶ谷主演、『愛の渦』『娼年』などで知られる三浦大輔が作・演出を務め、2018年に上演された同名舞台の映画化となる作品。主人公のフリーター・菅原裕一（藤ヶ谷）が、ほんの些細なことから、恋人、親友、先輩や後輩、家族とあらゆる人間関係を断ち切っていく逃避劇。舞台に続き、脚本・監督を三浦が担う。
藤ヶ谷は、「アイドル業に支障が出た」というほど、三浦監督との撮影で何度も追い込まれたと振り返る。「最近じゃないですけど、一番逃げたいと思ったのはこの撮影の時です（笑）。これを経験したから……やっぱり人間は本当に不幸なもので、不幸なことを経験すると、それ以上のことがないと免疫ついちゃうじゃないですか（笑）。この時は本当に逃げたかったですね（笑）。思い出します」と笑い、「初日から逃げたかったですよ（笑）。自分が裕一だったら逃げられるのに」と過酷だったことが伺える。
それでも藤ヶ谷が逃げなかったのは、「責任とかいろいろ考えるじゃないですか。グループのこととか。このまま事務所にいられないし、ほかの芸能活動もできないしとか。いろいろ考えましたよ（笑）。1日逃げたとして、2日目に現れた時、どういう顔して『すみません、この前は……』って。そっちを考えると、逃げない方が良い、という一般的なつまんない考えっていうか（笑）」とさまざまな考えがよぎったそうだ。
「もし自分に逃げ癖がついちゃったらどうなるのかな、と思いました。例えば、『こっちのバラエティーはが出ないくせに、こっちのバラエティーだけ出てる』とか、『今日はライブ行かないけど、今日はライブに出る』とか、まずいじゃないですか（笑）。裕一はかっこいいなと思いました。多分、人間誰しも思うであろう『逃げたい、行きたくない』ということを彼は体現してる。だから、途中から応援しちゃう。いくとこまで行って来い！ 頑張れ！ という思いがありました。羨ましいです」と自身の立場と比較し、どこまででも逃げまくる主人公への理解を示す。
藤ヶ谷は、本作の撮影前、ドラマ「華麗なる一族」（WOWOW）で中井貴一と親子役で共演。「『俺はお前を息子だと思ってるから、なんでも頼ってこいよ』と言っていただいて」と声を掛けてもらったという。『そして僕は途方に暮れる』のとあるシーンの撮影で気持ちが動かなくなり、食欲がなくなるほど極限の状況まで追い詰められた藤ヶ谷は、「どうしていいのかわからなくなって、貴一さんに言っていただいた言葉を思い出しました。おこがましいけど、社交辞令だったかもしれないけれど、連絡しました。『今、こういう状況です』と。そうしたらすごい長文を送ってくださって」と明かす。
「お芝居の技術力だけじゃなくて、人間の集中力というのもあるし、中井さんもすごく苦戦したことあると。相手側のお芝居のお付き合い、自分が映ってない時に力を抜いていいや、じゃなくて。すごく難しい……いろいろな話、相談を受けていただきました。頼らせていただきました」と感謝する。
過酷な撮影を乗り越えた藤ヶ谷は、「三浦組に出演できるというのは素晴らしいことだと思うんです。本当に覚悟と精神力と、いろんなものが必要ですけど（笑）。終わってみるとまたやりたいなと思う。やったらまた苦しむけど、やりたいなと」と三浦組の底知れない魅力を語る。（編集部・梅山富美子）