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『犬王』ゴールデン・グローブ受賞なるか 湯浅監督、現地会見で意気込み

『犬王』湯浅政明監督と後藤幸浩
『犬王』湯浅政明監督と後藤幸浩

 第80回ゴールデン・グローブ賞で、2019年の『未来のミライ』(細田守監督)以来、4年ぶりに日本のアニメ作品としてアニメーション作品賞にノミネートされた『犬王』。授賞式前日となる1月9日(現地時間)に米ロサンゼルス市内で記者会見が開かれ、湯浅政明監督と、本作で琵琶監修、演奏、作譜、声優を担当した後藤幸浩が出席、授賞式に向けた思いを語った。

【動画】ゴールデン・グローブ賞ノミネート『犬王』予告編

 今回のゴールデン・グローブ賞ノミネーションについて「意外だった」という湯浅監督は、「子供の頃からよく知っているアワードにノミネートされて大変嬉しく思っています。また、アニメーションの賞だけじゃなく、実写の賞の中にも少しずつ入っていこうという目標がありましたので、実写が(中心の)賞にノミネートされるのも嬉しかったし、『そうだ。できるんだ』という感じもありました」と率直な思いを語る。

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 ゴールデン・グローブ賞の授賞式は初参加。「名前だけで知っていた賞が、どういうふうな場所で、どういうふうに行われているのかを見たり、一緒にアニメーションでノミネートされている方々と会ったり、再会したり、また、実写のスターや監督たちを、間近で見ることができるのも楽しみにしています」と授賞式を控えた興奮を伝えた。

 ベネチア国際映画祭やトロント国際映画祭などで上映され、海外で多くの映画、アニメファンたちを魅了してきた『犬王』。北米でも昨年劇場公開され、アメリカの映画批評サイト、Rotten Tomatoes の支持率は91%(9日時点)と、多くの批評家たちから高評価を獲得している。平家物語をベースにした非常に日本的な作品だが、湯浅監督は、日本と海外の観客の反応にあまり大きな違いはないと見ている。「(反応の)違いを期待して探すんですけど、日本でもいろんな楽しみ方があるように、意外と皆同じように、楽しんでもらえてます。本当にあたたかい見方をしていただいている感じがしますね」

 また、日本独特の琵琶の魅力を伝えた後藤も「物語として、どこの国でもちゃんと通じてるんだと思うんです。物語の世界なので、それがちゃんと認識されて、受け入れられているということは、やっぱり、そこに一つの共通項があって、それからまた(この作品に影響を受けて)違う物語が出てくるかもしれないし、そういう期待っていうのはすごくありますね」と、付け加えた。

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 日本の長編アニメーションがゴールデン・グローブ賞にノミネートされたのは、2014年に外国語映画賞でノミネートされた『風立ちぬ』、2019年にアニメーション作品賞でノミネートされた『ミライの未来』以来、3度目。近年さらに高まりを見せる、日本アニメーションに対する海外での評価を、湯浅監督はどのように見ているのか。

 「日本の漫画が特殊な発展の仕方をしていて、それに付随して、日本のアニメーションも特殊なかたちで発展してきたと思うんです。その内容の特殊さとか、やっている人たちの熱意や、過去に良い作品があったおかげだと思います。そして、そういう作品を子供の頃に観た人たちが今クリエイターとなって、そういう(日本のアニメへの)リスペクトを表明してくれたりしていると思うんです。でも、そうした海外の方々がまたそれで力を持って、すごく高いクオリティーで幅広い作品を作り始めているので、本当に自分たちもまた頑張らないと(笑)、というふうな気持ちでいます」

 昨年、作品賞-非英語作品(旧・外国語映画賞)を受賞した『ドライブ・マイ・カー』に続いて、また、日本のアニメーション作品として初の受賞となるのか、明日の本番が大いに楽しみだ。(取材・文:細谷佳史 / Yoshifumi Hosoya)

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