ゴールデン・グローブ賞『フェイブルマンズ』『イニシェリン島の精霊』が作品賞!受賞結果全リスト
第80回ゴールデン・グローブ賞授賞式が現地時間10日に米ロサンゼルスで行われ、作品賞(ドラマ)はスティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的映画『フェイブルマンズ』、作品賞(コメディー/ミュージカル)はマーティン・マクドナー監督のダークな悲喜劇『イニシェリン島の精霊』が受賞した。
『フェイブルマンズ』は、映画館デビューで両親と『地上最大のショウ』(1952)を観て衝撃を受け、以来、映画作りにのめり込んでいったスピルバーグ監督の子供時代と、彼の作品に影響を与えた家族の関係を愛情に満ちた視線で映し出したドラマ。電気技師の真面目な父にはポール・ダノ、元コンサートピアニストで自由な魂を持った母にはミシェル・ウィリアムズ、おじのような存在で家族と多くの時間を過ごす、父の愉快な仕事仲間にはセス・ローゲンがふんしている。ゴールデン・グローブ賞では、作品賞(ドラマ)と監督賞の2冠を達成。第47回トロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞しており、オスカー本命とみなされている。
『イニシェリン島の精霊』は、『スリー・ビルボード』のマクドナー監督が脚本も手掛けた作品。アイルランドの孤島を舞台に、親友同士の男たち(コリン・ファレルら)の間で起こる絶縁騒動が描かれる。ゴールデン・グローブ賞では最多となる7部門8ノミネートを果たしており、そのうち作品賞(コメディー/ミュージカル)、男優賞(コメディー/ミュージカル)、脚本賞を制し、最多3部門での受賞となった。
演技部門で存在感を見せたのは、『スイス・アーミー・マン』の監督コンビ“ダニエルズ”によるマルチバース・コメディードラマ『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』だ。主演のミシェル・ヨーが女優賞(コメディー/ミュージカル)を、夫役を務めたキー・ホイ・クァンが助演男優賞を受賞した。
日本からは湯浅政明監督の『犬王』がアニメーション作品賞にノミネートされていたが、同賞はNetflix映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が受賞した。(編集部・市川遥)
受賞結果は以下の通り。
【映画部門】
■作品賞(ドラマ)
『フェイブルマンズ』
■作品賞(コメディー/ミュージカル)
『イニシェリン島の精霊』
■男優賞(ドラマ)
オースティン・バトラー 『エルヴィス』
■男優賞(コメディー/ミュージカル)
コリン・ファレル 『イニシェリン島の精霊』
■助演男優賞
キー・ホイ・クァン 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■女優賞(ドラマ)
ケイト・ブランシェット 『TAR/ター』
■女優賞(コメディー/ミュージカル)
ミシェル・ヨー 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
■助演女優賞
アンジェラ・バセット 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
■監督賞
スティーヴン・スピルバーグ 『フェイブルマンズ』
■脚本賞
マーティン・マクドナー 『イニシェリン島の精霊』
■音楽賞
ジャスティン・ハーウィッツ 『バビロン』
■歌曲賞
「Naatu Naatu」 『RRR』
■非英語作品賞(旧・外国語映画賞)
『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)
■アニメーション作品賞
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』
【テレビドラマ部門】
■作品賞(ドラマシリーズ)
「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」
■女優賞(ドラマシリーズ)
ゼンデイヤ 「ユーフォリア/EUPHORIA」
■男優賞(ドラマシリーズ)
ケヴィン・コスナー 「イエローストーン」
■作品賞(コメディー/ミュージカルシリーズ)
「アボット エレメンタリー」
■女優賞(コメディー/ミュージカルシリーズ)
キンタ・ブランソン 「アボット エレメンタリー」
■男優賞(コメディー/ミュージカルシリーズ)
ジェレミー・アレン・ホワイト 「一流シェフのファミリーレストラン」
■助演女優賞(テレビシリーズ)
ジュリア・ガーナー 「オザークへようこそ」
■助演男優賞(テレビシリーズ)
タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ 「アボット エレメンタリー」
■作品賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」
■女優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
アマンダ・セイフライド 「ドロップアウト ~シリコンバレーを騙した女」
■男優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
エヴァン・ピータース 「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」
■助演女優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
ジェニファー・クーリッジ 「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」
■助演男優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
ポール・ウォルター・ハウザー 「ブラック・バード」
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