「仮面ライダーリバイス」日向亘、“兄妹”に会えず不安定だった時期　刺激受けた橋本じゅんとの共演

　特撮ドラマ「仮面ライダーリバイス」（2021～2022）で、五十嵐大二／仮面ライダーライブを演じた俳優の日向亘。テレビシリーズのその後を描くVシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』で小松準弥（門田ヒロミ／仮面ライダーデモンズ役）とダブル主演を務めた日向が、最終章への思いや悪魔・カゲロウとの演じ分けで得たもの、テレビシリーズの撮影を振り返った。

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リバイスドライバーで変身「物理的ではない重みを感じた」

　主人公・五十嵐一輝（前田拳太郎）の弟である五十嵐大二は、政府直属の特務機関「フェニックス」に所属し、中央方面隊分隊長として悪魔崇拝組織「デッドマンズ」との戦いに身を投じた。Vシネクストでは、フェニックスの後継組織「ブルーバード」で平和維持のために活動している。

　前田からのバトンを受け取り、小松と共に「リバイス」のラストエピソードで主演を務めた日向。「『仮面ライダーリバイス』の結末となる部分で、準弥さんと二人で先頭に立たせていただけたのは、すごく光栄でした。1年間キャスト全員を成長させてくれた『リバイス』に恩返しするように、悔いの残らないよう全力で取り組む姿勢で臨みました」と振り返る。

　同じ組織で絆を深めてきた大二とヒロミ。Vシネクストでも、やはり二人の信頼関係が作品のポイントになるという。「大二とヒロミさんは物語が進むにつれて絆を深め、お互いを信頼して任務に挑んでいきました。本作では、ヒロミさんが指名手配され、ヒロミさんと同じ顔のムラマサが登場し、大二がどうすればいいか迷った時、大事になるのはヒロミさんを信じること。1年間かけて二人の関係性を描いたからこそ、最後も信頼関係を取り上げることができたのかなと思います」

　Vシネクストでは、ライブとエビルの新フォーム「仮面ライダーライブマーベラス」「仮面ライダーエビルマーベラス」が誕生。大二はツーサイドライバーではなく、一輝が使ったリバイスドライバーで変身する。「第1話で大二がリバイスドライバーを放り投げてしまってから約1年半、ようやく変身ができました。主演の前田拳太郎くんが1年間巻いていたドライバーなので、物理的ではない重みを感じましたし、『使わせていただくからには、最後まで戦い抜くぞ！』という気持ちになれました」

大二＆カゲロウの演じ分けで得たもの

　大二とカゲロウを1年以上演じ分けてきた日向は、一人二役に挑戦したことで、気持ちの切り替えが上手くできるようになったと語る。「素の自分とお芝居をしている時の自分の切り替えは、一つの役だけを担当していたらここまでできなかったと思います。大二パートの同日にカゲロウのシーンを撮って、次のカットで大二に戻る不規則な撮影があったおかげで、気持ちを一回リセットして交互に演じることができましたし、仕事とプライベートを切り替えられるようになったと思います」

　大二は、カゲロウを失ったことで善悪のバランスが取れなくなってしまい、一輝や妹・さくら（井本彩花）と衝突することもあった。五十嵐三兄妹でのシーンが少なかった時期は、日向自身も寂しさや不安を感じていた。「誰とも会わず、僕一人で変身してギフジュニアを倒すシーンが続いて、毎日顔を合わせていたみんなと、しばらく会うことがなくなってしまったので『みんなに会えないのか……』と初めて寂しくなりました。お芝居でも辛いシーンが多かったので、その時期は精神が不安定でした。今となっては、いい経験をさせていただいたなと思っています」

　終盤では、フェニックスの長官・赤石英雄役の橋本じゅんと共演するシーンが増え、大先輩から刺激を受ける充実した日々が続いた。「橋本さんとは、濃すぎるほどたくさんの時間を過ごさせていただきました。すごく熱血な方なので、たくさん愛のあるご指導をいただき、厳しい言葉を投げかけられる時もあったり、よくできた時は『今のよかったぞ！』と声をかけてもらえて自信が持てました」

　「また、橋本さんがすごく考えてお芝居していると知った時に、自分の中で『もう少し考えないと』と反省したりする瞬間もありました。キャリアを積んでいる方がここまで悩んで考えて演じているのに、橋本さんの何十倍も考えてやらなきゃいけないはずの自分が、全く考えていないことがヤバいと感じていました。そこから、自分の中でお芝居に対する向き合い方が、大きく変わった気がします」

「仮面ライダーリバイス」はみんなが帰ってこられる場所

　テレビシリーズから約1年半、大二＆カゲロウと共に過ごしてきた日向。「僕にとって（大二＆カゲロウは）共に戦ってきた“戦友”のような存在。これからも僕の背中を押し続けてくれるし、振り返った時に自分に自信を与えてくれるような存在になったと思います」と力を込める。

　「仮面ライダーリバイス」を終えて、日向は1月期の日曜劇場「Get Ready!」（TBS系）に出演中。同クールでは、一輝役の前田とさくら役の井本も別の連続ドラマで活躍している。「結果的に三人が同クールのドラマに出演させていただけているのが、本当にありがたいですし、舞台・映画などで活躍している他のメンバーの姿もすごく力になります」

　「仮面ライダーを応援してくださったファンの方々の熱量をいただいている状態で、日曜劇場に出演させていただいているので、今後も皆さんにいい報告ができるような、10年、20年と活動できる役者になることが僕の目標です」と続けた日向。「『仮面ライダーリバイス』はみんなが帰ってこられる場所。10年後、20年後と大きくなって帰ってきて、また『リバイス』メンバー全員で集まって一つの作品を届けられたら嬉しいです」とファミリーでの再集結に意欲を見せた。（取材・文：編集部・倉本拓弥）

Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』は2月10日より期間限定上映、Blu-ray＆DVDは5月10日発売