中島裕翔、イメージを壊せるチャンス!6年ぶりの映画主演に自信
映画『#マンホール』(2月10日公開)で、6年ぶりに映画主演を務める中島裕翔(Hey! Say! JUMP)が、「自分のパブリックイメージをぶち壊していけるチャンス」だと感じた本作の手応えを語った。
『マスカレード・ホテル』シリーズの脚本家・岡田道尚によるオリジナル脚本で、『海炭市叙景』『私の男』などで知られる熊切和嘉がメガホンを取る本作。誰もが羨む超ハイスペック男・川村俊介(中島)が、勤め先の社長令嬢との結婚式前夜、サプライズパーティーの帰り道に酒に酔ってマンホールに落ち、幸せの絶頂からどん底に転落するさまを描く。
中島は、マンホールのなかというワンシチュエーションで展開する本作のオファーに「邦画でこんな作品をつくる機会があるんだ! というワクワクがありました」と期待に胸を膨らませた。制作陣はプロット作成の早い段階から川村役を中島に想定して当て書きしていたそうで、「単純に自分のことを考えてくださっていたのはうれしかったですね。自分のパブリックイメージをぶち壊していけるチャンスだと思った」と感じたという。
『僕らのごはんは明日で待ってる』(2017)以来、6年ぶりの映画主演となる中島。「もちろんプレッシャーはあります。はたして観てくれるのだろうかという不安もあります。でも、映画好きな人も頷けるような展開の早さで、斬新で面白いコンテンツになりました。自分のファンだけじゃなくて、いろいろな人に観てほしい」と胸を張る。
撮影では、マンホールのセットのなか、中島は一人で芝居に打ち込んだ。「いろいろな感情がありました。明日撮るシーンは上手くいくのかな、どうしたらもっと面白くなるのかなと」と日々考えていたという。また、撮影スタッフが作品がより面白くなるようにと真剣にモノづくりをする姿に刺激を受け、「俺はこれに応えたい」と奮起した。
「チームの一体感が初日からすごくありました。撮影開始から二週間経った時点では、一年間くらいこのクルーでいたんじゃないか、というくらい。みんなが、『#マンホール』という映画を面白くしよう、クレイジーにしようという気持ちでいました。その仕掛けに僕は翻弄(ほんろう)され、いじめられて(笑)。でも、それが、この映画で見せたい川村という男の心の動きなので」と充実感をにじませる。
マンホールに落ちてからの川村は、脱出するために必死で感情むき出しになるという役どころで、熊切監督が「思っていた以上に中島くんのいつもと違った面が出て面白かった」と明かすほど。川村を熱演した中島は「途中から楽しくなっちゃったんじゃないですかね(笑)。今までのイメージとは逆の芝居がどうやったらできるかと考えたときに、だんだん熱が上がって、やりたいことがどんどん出てきて。監督も、『すごくクズだったよ』みたいな(笑)」と新たな一面を引き出すことができたという。
完成した作品を観て、自分の表情に驚いたそうで、「SNSを見ているときの顔、ヤバいなと思いました(笑)。悪態をついている時や、あきれている顔は自分でも見たことがない。そういう顔をしている時って、鏡で顔を見ないじゃないですか(笑)。だから、すごく新鮮だったんです」と振り返り、「やったことがないことしか、ここにないと言っても過言ではないです」と自信をのぞかせる。
演じる川村は、仕事もできる人気者という役どころ。「川村は、表から見ると、立場的に割と自分の普段の活動に近い人間。業績がトップで好かれていて、みんなに笑顔振りまいて、うまくやっている」と分析しつつ、「でも、だんだんゲスくなっていって『こいつ最悪じゃん』と思いました」とバッサリ。
しかし、川村について「すごく人間っぽい」と理解できる部分もあるという。「誰しも人間を裏表があって、特にこんな状況で追い詰められたら、人間こうなっちゃいます。語気も荒くなり、声も大きくなる。不安定になって、人を疑う。でも、自分に原因があると思わない。まずは、『誰かがこんなことをしたんだろう?』って。それは、SNSの影響もある。今のご時世を反映しているなと思う」と語る。
また、中島自身は、川村のように感情をむき出しにすることはあるのかという問いに、「時と場合によります。出した方がいい時もあるし、それをグッと我慢するのも必要な時がある。例えば、泣きの芝居がある時に、たまにバーっと喋りかけて来る人がいて、『ちょっと待って! これから泣き芝居なんだ!』と思うこともあります。自分のペースを乱されるのが嫌なので、『今はちょっと話しかけないでください』というオーラを出すかもしれないです」と答える。
ちなみに、本作の撮影では、プロデューサーに「今怒ってるでしょ」「待ち時間、すごい怒ってたよ」と言われたことも。「確かに、待ち時間が結構長かったんですが、でも怒ってたわけじゃないんです。寒さに耐えながら、怒らなきゃいけないシーンだったので、役の気持ちをずっとキープしてたんです。それがどうやらすごく怒っているように見えたらしくて。でも顔には出やすい」と役者ならではの苦労を吐露していた。(編集部・梅山富美子)