新作歌舞伎「ファイナルファンタジーX」ユウナ役・中村米吉が舞う「異界送り」特別映像公開
東京・豊洲で上演される「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」から、ユウナ役の中村米吉が舞う「異界送り」のスペシャル映像が1日、公開された。
2001年に発売された「ファイナルファンタジーX」は、大いなる脅威「シン」に立ち向かう少年と少女の切ない物語が繰り広げられるシリーズ屈指の人気タイトル。今なお多くのユーザーに愛され続ける感動的な物語が、「風の谷のナウシカ」など自らの企画で数々の新作歌舞伎を手がけてきた尾上菊之助の企画・演出、NHK連続テレビ小説「おちょやん」などを手掛ける八津弘幸の脚本、金谷かほりの共同演出で送り出される。
「異界送り」は、亡くなった人々の魂を鎮める役割を持った、「ファイナルファンタジーX」のストーリーでもキーポイントの一つとなる儀式。夕焼けの浜辺でユウナが初めて儀式を行うシーンは、ゲーム中でも屈指の名シーンの一つに挙げられる。スペシャル動画には、主人公ティーダが「異界送り」を見た際の「不思議で......少し恐ろしい儀式」「もう見たくないと思った」というセリフも登場するなど、原作へのリスペクトと敬意が込められている。
中村米吉は「真冬の冷たいコンクリートの床を素足で感じながらの撮影。 その冷たさは、ユウナが初めて異界送りをしたキーリカ島の海の温度を私も体感したような、そんな気持ちになりました。 緻密な撮影プランのもと、繰り返し無心で踊る、それは本当に異界に向かってひたすら祈るような時間。 この撮影で触れたその質感を舞台の上から皆様に届けられるよう勤めます。 是非劇場での異界送りにもご期待ください」とコメント。
振付を担当した尾上菊之丞は、儀式を日本舞踊にアレンジ。「ユウナの舞を再現することを第一に、FFX で描かれている『異界送り』の断片から日本舞踊の様式で全体を創造し、歌舞伎版『異界送り』を創作しました。舞踊とは、目に見えない死者の魂や神仏と交わる唯一の手段。哀しみだけではなく 愛や希望、様々な感情を想起させるようなシーンにしたいと思っています」と意気込みを語っている。
動画内の楽曲は、公演で実際に使用される楽曲の一つ。歌舞伎化にあたり、植松伸夫による名曲を、本作の音楽監督を務める新内多賀太夫が和楽器を用いてアレンジ。「『異界送り』は陰と陽が隣り合わせにありながら、人々の想いが昇華されていく儀式です。幻光虫が七色に輝く風情を日本古来からある五色の意味と通じ合わせ、和楽器の音で表現し、御霊鎮めをする巫女を想起させる巫女鈴と鈴(りん)を用いて七色を構成しました。魂が浄化される様を顕現したいという願いで作っています」と語っている。
ティーダ役の尾上菊之助とユウナ役の中村米吉をはじめ、中村獅童(アーロン)、尾上松也(シーモア)、中村梅枝(ルールー)、中村萬太郎(ルッツ)、中村橋之助(ワッカ)、尾上丑之助(ティーダ・幼少期)、上村吉太朗(リュック)、中村芝のぶ(ユウナレスカ)、坂東彦三郎(キマリ)、中村錦之助(ブラスカ)、坂東彌十郎(ジェクト)、中村歌六(シド)が出演する。
木下グループ presents「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」はIHIステージアラウンド東京(豊洲)にて3月4日(土)~4月12日(水)上演 全35公演※休演日:3月8日(水)、15日(水)、22日(水)、29日(水)、4月5日(水)