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『シン・仮面ライダー』SHOCKER下級構成員デザイン秘話 前田真宏、仮面に求めたリアリティー

『シン・仮面ライダー』に登場するSHOCKER下級構成員
『シン・仮面ライダー』に登場するSHOCKER下級構成員 - (C) 石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

 東映の人気特撮「仮面ライダー」(原作・石ノ森章太郎)の生誕50周年記念作品として、庵野秀明が脚本・監督を務める映画『シン・仮面ライダー』。仮面ライダーとして戦う運命を背負う主人公・本郷猛にオーグメント手術を施すのが、秘密結社SHOCKER(Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling)だ。本作のデザインを担当した前田真宏がインタビューに応じ、SHOCKER下級構成員に関するデザイン制作の裏側を明かした。

【インタビュー動画】池松壮亮&浜辺美波&柄本佑が語る、庵野監督との出会い

 “原典”となる50年前の「仮面ライダー」では、ショッカーは世界征服を目論む悪の秘密結社として、仮面ライダーの前に立ちはだかった。対して『シン・仮面ライダー』におけるSHOCKERは、人類を持続可能な幸福へと導く愛の秘密結社として登場する。

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 『シン・仮面ライダー』においても、SHOCKER下級構成員の存在は欠かせない。前田は「社会の中に何食わぬ顔で潜んでいる、人々が危険と思わないような存在」ということを念頭においてデザインを考えていった。

 「浮いてしまうデザインではなく、必要な時だけ顔を隠すという意識はありました。オーグメント(本作における敵)にも共通しますが、社会では異物として扱われている存在が、身近で暮らしていたらどんな感じなのか。夜の闇に紛れて、酒場の隅にいたらどんな雰囲気なのかを考えながら作業していました。リアリティーを感じさせる上では、(扮装統括・衣裳デザイン担当)柘植伊佐夫さんのデザインに大変助けていただきました」

 下級構成員の立体的なマスクは「必要最小限なもので顔のパーツを消す」というイメージが出発点となった。「話し合いを重ねるうちに、SHOCKERに参加した人のIDを消すデザインにする方向に傾きました。街頭のカメラに顔を把握されても、個人が特定できないようにしたいと思っていました」

 「デザインは逆三角形からはじまり、目と口をつなぐ格子状の網があり、男性も女性も顔に貼った時に三角形の穴が空いているように見せたいと考えました」。同じくデザイナーとして参加した出渕裕からは、よりSHOCKER色を出したいと、白黒逆転させる配色が提案されたという。

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 SHOCKERのマスクを顔に貼ることで、新たな問題点も浮かび上がった。「実際に貼ると、アクションシーンで外れて事故率が高まる恐れがありました。紐でしっかり固定できても、今度は見栄えが悪くなってしまいます。最終的には、ベースを作成して、その上に逆三角形を乗せるという形に落ち着きました。結果としてオリジナルの構成員の印象に寄せることができたと思います」

 庵野監督をはじめ、「仮面ライダー」をリアルタイムで視聴していたスタッフが原作愛を投影した『シン・仮面ライダー』のデザイン。前田は、若い世代にも「仮面ライダー」の魅力に浸ってほしいと力を込めた。「『仮面ライダーはこうである』というビジョンを共有し、新たに世に出したい思いで仕事をしてきました。私たちと同世代の観客には、そこに注目して観ていただきたいです。また、若いオーディエンスには、仮面ライダーの“異様さ”というものに注目してほしいです。仮面ライダーのマスクから髪の毛が出ているなど、若い世代の方が『これってなに?』と思うものが登場すると思います。仮面ライダーが現代に存在することの不思議さを感じ取ってほしいです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『シン・仮面ライダー』は3月17日(金)18時より全国最速公開(一部劇場を除く)、3月18日(土)全国公開

『シン・仮面ライダー』池松壮亮×浜辺美波×柄本佑インタビュー 庵野秀明監督との出会い&ライダースーツを語る » 動画の詳細
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