アニー賞、堤大介監督「ONI」が2冠「誇りに思います」
現地時間25日、アニメ界のアカデミー賞とされる第50回アニー賞の授賞式がアメリカ・ロサンゼルスで行われ、堤大介監督のNetflixシリーズ「ONI ~ 神々山のおなり」がテレビ/メディア部門(リミテッドシリーズ)で作品賞とプロダクションデザイン賞を受賞した。
「ONI」は、日本神話に登場する神様や妖怪たちの暮らす世界が舞台。主人公は英雄に憧れる自由奔放な娘、おなり。毎日せっせと稽古に励むおなりだが、父のなりどんはヘンテコな神様で、なぜか何も教えてくれない。そんな中、山の神々が恐れてきた“ONI”の脅威が迫り来る。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの岡田麿里が脚本を担当し、『ダム・キーパー』の堤大介とロバート・コンドウが設立したトンコハウスが制作した。
堤監督は、今回の受賞について「この受賞は本作に関わった全てのスタッフの功績です。そして何より世界中の沢山の方々に、日本の美しさを感じてもらいたくて制作した本作が、こうやって多くの人に認めてもらえた事を誇りに思います。この賞をきっかけに少しでも多くの日本の方々が『ONI ~ 神々山のおなり』を観てくれたら嬉しいです」と喜びを語った。 また現在、東京・立川の美術館「PLAY! MUSEUM」で企画展示「ONI 展」が開催されており、「お越しいただければ、この作品の魅力をさらに感じていただけるかと思います」としている。
また、長編アニメーション作品賞は同じくNetflixで配信されている『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』が受賞。同作は監督賞や音楽賞、プロダクションデザイン賞など5部門に輝いた。また、「ラブ、デス&ロボット」が4部門で受賞、人気アクションゲームを基にした「ザ・カップヘッド・ショウ!」も音楽賞を受賞するなど、Netflix作品は12部門で受賞した。
今回のアニー賞には、湯浅政明監督の『犬王』(2022)も長編インディペンデント作品賞と脚本賞(野木亜紀子)にノミネートされていたが受賞を逃した。同作品賞は『マルセル・ザ・シェル・ウィズ・シューズ・オン(原題) / Marcel the Shell with Shoes On』が受賞している。(編集部・入倉功一)