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攻めた映画に!?綾瀬はるか主演『リボルバー・リリー』に行定監督意気込み

2年連続の共演!長谷川博己&綾瀬はるか
2年連続の共演!長谷川博己&綾瀬はるか

 長浦京のハードボイルドアクション小説に基づく映画『リボルバー・リリー』の豪華キャストお披露目会見が28日、帝国ホテルで開催され、本作で監督を務める行定勲、原作者の長浦京、企画プロデュースの紀伊宗之が出席。行定監督は「みんなが分かる映画ばかり作るとエッジが丸くなる。多数決の映画じゃないものになれば」と“攻めた”内容になることを匂わせた。

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 長浦の第19回大藪春彦賞受賞作を実写化する本作。原作では、関東大震災後の東京を舞台に、東アジアを中心に3年間で57人の殺害に関与し、各国大使館から「最も排除すべき日本人」と呼ばれた元諜報員・小曽根百合が、一人の少年との出会いを経て再び戦いに身を投じるさまが描かれた。紀伊プロデューサーは「2019年に原作権を取得しました。そこから長い時間がかかりました」としみじみ。昨年の夏、約3か月に及ぶ撮影を敢行し、無事終了。現在絶賛編集中だという。

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 続けて紀伊Pは「韓国映画に押され気味の日本映画ですが、世界に出ていけるような企画にしたつもり。俳優のみなさん、行定監督、原作者と一致団結して臨みました」と胸を張り、原作者の長浦は「この作品を執筆するとき“読む映画”を作ろうという思いがあったので、時を経て映画となってスクリーンによみがえると聞いて興奮しているし、楽しみにしています。そして誰よりも厳しい目を持っています」と語る。

 そんな長浦が撮影現場で目にしたのは、大正期を再現した圧倒的なセットだった。長浦は「お世辞抜きで素晴らしいセットで、大正の街並みはこんな感じだったのか……と思うぐらい。当時の匂いが漂ってきそうな素晴らしさでした」と絶賛し、「すごくお金が掛かっていそうだなと思いました」と感想を述べる。

 紀伊Pは行定監督にオファーしたいきさつについて、「どうすれば面白い映画になるのかと考えたとき、ある先輩から『行定さんなら合うんちゃうか』と言われて、僕もなるほどと思ったんです。監督は恋愛映画を中心に作られていますが、そこには強い作家性がある。単純なエンターテインメントでは勝ち目がないと思ったので、行定監督が自身の作家性をプラスしてどう料理するのか、単純に見たいと思った」と説明。

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行定勲監督

 行定監督は「近年、基本的に日常の近しい感情を切り取る映画を作ってきました。今回企画の話を聞いて脚本を送ってもらったときは『間違っているのでは?』と思うような規模感だった。この規模は東映さんでは『北の零年』(2005)以来かも」とオファーを受けた時の率直な心境を思い返す。「紀伊さんからは『女性を描いてほしい』とリクエストがありました。東京という街で女性が戦っていくということ、銃を向けるということがどういうことなのか……そのことに向き合いました」と作品へのアプローチに触れた。

 くしくも本作の企画が進行中にロシアのウクライナ侵攻が始まったようで、行定監督は「企画初期の段階では起こっていなかった戦争が始まってしまい、戸惑いがありました」とも。「仕上げはまだなのですが、どんなフィニッシュになるのか、自分でも楽しみです」と完成に期待を込める。

 また行定監督は「『行定にアクションは撮れないだろう』と叩かれそうな気がしますが」と自虐的に笑うと「でも僕なりにいろいろな発見がありました。みんなが分かる映画ばかり作るとエッジが丸くなる。いい意味でちょっとヘンな映画、多数決の映画じゃないものになればいいなと思っています」と意気込んでいた。

 この日は主演の綾瀬はるかをはじめ、共演の長谷川博己羽村仁成Go!Go!kids/ジャニーズ Jr.)、シシド・カフカ古川琴音清水尋也ジェシーSixTONES)、豊川悦司が全長13メートルのランウェイに登場。本作が8月11日に公開されること、佐藤二朗吹越満内田朝陽板尾創路橋爪功石橋蓮司阿部サダヲ野村萬斎の出演も発表された。(磯部正和)

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