松山ケンイチ「どうする家康」で俳優として初めての経験 本多正信の決意語る
松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜、NHK総合夜8時~ほか)で家康の家臣・本多正信を演じる松山ケンイチが、5日放送の第9回放送後にコメントを寄せた(※ネタバレあり。第9回の詳細に触れています)。収録の前日、全く寝られなかったと言い「20年近く俳優をやっている中で初めての経験」と語っている。
胡散臭く無責任な進言をする“家臣団の嫌われ者”として、第5回に初登場した正信。5回「瀬名奪還作戦」では、家康が今川氏真(溝端淳平)に捕らわれた妻・瀬名(有村架純)を取り戻す作戦で活躍した。ところが、第8回「三河一揆でどうする!」では、本證寺から年貢を取り立てようとする家康(松本潤)と、住職・空誓(市川右團次)率いる一向宗徒が激突。周囲の領主である松平昌久(角田晃広)や吉良義昭(矢島健一)、家臣の夏目広次(甲本雅裕)までもが寝返り、挙げ句の果てに正信が一向宗の軍師となっていることが発覚。家康は人間不信に陥る。
松山は家康を裏切った正信の真意について「第9回では正信が家康を裏切る場面が描かれましたが、『戦で何を守りたいのか』ということに関して、自分に正直になったということかと思います。その結果裏切りにつながったのですが、そこに対して『悪い』という感情は一切ないんですよね」と解釈。
家康と対峙する場面の撮影において「ただ、自分から大勢に対して挑んでいる訳なので、家康と対峙する場面については、正信もきっと寝られなかったんじゃないかと思うんです。そんな正信とリンクしたのかもしれませんが、その収録の前日、僕自身も全く寝られませんでした。20年近く俳優をやっている中で初めての経験でしたが、何かがあるのでしょうね」と振り返る。
また第9回では正信の哀しい過去も描かれたが、松山は「今作の正信は、ずっとつながれてきた『武士』という概念から少しはみ出てしまっているところがあり、武士の身分でありながらも、“今”の武士というものに対して思うところがある。だから徳川家臣団とも少し距離があるというか、違う目線で武士そのものを見ているようなキャラクターだと思います」と思いを巡らせ、「そこに嫌われる要素や自由さがありますし、演技としても遊ぶことができるような立ち位置なので、そういう部分でも楽にやらせていただいています。正信は第9回でいったん抜けますが、最後までぜひ見届けていただきたいなと思います」と呼び掛けている。
松山にとって大河ドラマの出演は2012年に主演を務めた「平清盛」以来2作目、11年ぶり。(編集部・石井百合子)