「相棒」神戸&米沢に小野田の回想まで!最終話前篇、胸アツ展開に歓喜
ドラマ「相棒season21」(テレビ朝日系)最終話スペシャル前篇「13~死者の身代金」が、8日に放送された。オンエア前から期待されていたのは、初代相棒・亀山薫(寺脇康文)と2代目相棒・神戸尊(及川光博)の初対面と、杉下右京(水谷豊)との3ショットだ。ほかにも、元鑑識課員で現警察学校教官の米沢守(六角精児)の登場や、回想シーンでの小野田公顕官房長(岸部一徳)の名言連発など胸アツ展開が満載で、「神戸くん」「右京さん」など関連用語がトレンドを席巻した。(以下、ネタバレを含みます)
日本各地で十三回忌を迎えた遺骨が、相次いで盗まれる事件が発生。犯人は「13」と名乗り、「日本を再生不能にした戦犯を処刑する」というメッセージを遺族のもとに送ってきた。実は前年から起きていたのだが、犯人の意図が不明なことと、政府の要人である小野田の遺骨が含まれていたことで、警察が隠蔽していたのだ。
右京は米沢に協力を要請し、事件を調査していたが、内緒にされていた薫は怒り心頭。さらに、尊が特命係に姿を見せ、警察庁からの指令で自身が指揮官となり、右京と薫に「官房長の遺骨を無事奪還すること」という指令を出した。特別に捜査を許可するというのだ。二人は、ヘリでの調査と鉄道オタクの米沢の協力で、メッセージが投函された場所が一筆書きになること、盗難時期が学校の長期休みに合致することなどに気づく。身代金の支払いがネットの投げ銭で指定されたことなどから、右京は事件に子供が関与していると推理する。
一方、私塾「ながとろ河童塾」塾長の葛葉宰三(渡辺いっけい)は、被害者遺族でもある真野正義(読み方:ジャスティス/柴崎楓雅)ら塾生と奈良に遺跡巡りの旅に出ていた。
尊は特命係に配属された当初、「一度、亀山巡査部長にも会ってみたい気がする」という報告書をしたためていた。今回、その希望が14年ぶりにかなった形で、「はじめまして。神戸です」と薫に握手の手を差し出した。「お目にかかりたいと思ってました」という尊に、薫もノリノリで「親近感すごいわ」と応じる。右京との初対面時、「君は、亀山くんの代わりにはなれません」と断言されていた尊にとっては、感慨深い出会いだったことだろう。
また、尊はレギュラー当時に大河内監察官(神保悟志)とよく会っていたのだが、今回も同じ場所(魚の水槽が林立するバー)で密会。関係性が途切れてないことにSNSでは「相変わらずおしゃれなバーで密会」「お魚バー!」「この2人って……」とささやかれていた。
米沢と薫の再会は劇的だ。薫は帰国直後に米沢の職場である警察学校を訪ね、人目もはばからずガシッと抱き合って、「まさか先生になっているとは」「亀山さんと同じです」と喜び合っていた。薫と妻の美和子(鈴木砂羽)は、冒頭で小野田の墓参りに行っていたが、それも帰国直後の昨年10月。画面に映っていないところで、薫はあちこちに帰国の挨拶に行っていたことが判明した。元捜査一課刑事だった三浦信輔(大谷亮介)や、月本幸子(鈴木杏樹)などにも会いに行っているのかもしれない。もっとも、幸子が小料理屋「花の里」の女将だったことは知らないはずだが。
小野田の過去映像がふんだんに登場したことにも、「小野田だ…!」とSNSは沸いていた。彼は特命係の設立に関わり、長く後ろ盾ではあったが、右京は「もとより、裏切られるような信頼関係はありません」と明言。小野田も薫に対して「杉下の正義は時に暴走するよ」と警句を発していたような、因縁の間柄。小野田は、season1第1話から登場しており、2010年公開の映画『相棒-劇場版II- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』で殉職・退場しているが、いまだに右京らに大きな影響を及ぼす存在だということだろう。
来週に続くラストシーンは、右京&薫&尊がそろって特命係の部屋から出陣していくカット。「そろい踏み、カッコイイ!」「3ショットはマジで激アツ」と大きな反響を呼んでいる。「相棒」ファンにとって、「これって夢じゃないの?」というのが正直なところかもしれない。来週はいよいよseason21の最終回。混迷をきわめる小野田らの遺骨盗難事件の行く末や、尊や米沢の動向など、気になる見どころは盛りだくさんだ。(文・早川あゆみ)