トム・ハンクス、自殺を邪魔されまくる不機嫌じいさん役!『幸せなひとりぼっち』をどうリメイクしたか
スウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』(原題:オーヴェという男)をハリウッドリメイクした『オットーという男』で主演を務めたトム・ハンクスが、“自殺を邪魔されまくる不機嫌じいさん”という役柄にどう挑んだかを明かした。
『幸せなひとりぼっち』は、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに77週連続で載った小説を基に、人生に絶望した不機嫌じいさん(演じたのはスウェーデンを代表する名優ロルフ・ラスゴード)と隣人一家の交流をコミカルかつ感動的に描いた映画。同作を観て感動したというトムは、ロルフと手紙のやり取りはしたものの、その演技にはあえて影響されないようにしたと振り返る。
「わたしは彼の役柄に対する解釈を、例えば『ハムレット』を演じる時にするような感じで見ていた。過去のハムレット俳優たちの演技は見るが、それに引っ張られることはない。彼のキャラクターの感受性の強さというのは、スウェーデンの社会構造によるものだ。アメリカではむしろ『これは私の私有地だ』という意識が強くあり、わたしの考えでは、オットーは人々のバカな行動やルール違反に対してより怒りっぽい。それに伴い、身体的な存在のあり方も変わってくる」
それこそ、トムがこのリメイクに挑もうと決めた理由の一つなのだという。「本作を、オリジナルのタイトルと同じく『オーヴェという男』と呼ぶことはできない。それはすでに作られているし、素晴らしい俳優がオーヴェを演じている。わたしは偉大な男の足跡をたどることはしない。だが、『“オットー”という男』を演じる最初の人物にはなれるかもしれないと思った。なぜならオットーはわたし独自の感性を持ったものになるだろうから」とタイトルを変えた理由についても説明していた。(編集部・市川遥)
映画『オットーという男』は公開中