磯村勇斗、今もニチアサが気になる 故郷・静岡で語った仮面ライダーネクロム初変身&フミ婆への思い
特撮ドラマ「仮面ライダーゴースト」(2015~2016)でアラン/仮面ライダーネクロムを演じた磯村勇斗が、3月25日に開幕した「生誕50周年記念 THE 仮面ライダー展」静岡会場のスペシャルアンバサダーとして故郷・静岡に凱旋。「こうして再び『仮面ライダー』に携わることができて嬉しい」と話す磯村が現地でインタビューに応じ、「ゴースト」撮影当時の思い出などを語った。
【動画】磯村勇斗、今だから話せる「ゴースト」裏話!インタビューの様子
「仮面ライダーゴースト」は、一度死んでしまった天空寺タケル(西銘駿)が、英雄の魂を宿した眼魂(アイコン)を駆使し、仮面ライダーゴーストとして戦う平成仮面ライダーシリーズ第17作。磯村ふんするアランは、眼魔世界の復興を目指し、タケルや深海マコト(山本涼介)と共に戦った。
妻・カノンの変身「夫婦で戦っている感じがして嬉しい」
約6年ぶりに「仮面ライダー」関連のイベントに登場した磯村。昭和・平成・令和と続くシリーズの全てが詰まった展示会を回り、仮面ライダーが持つ可能性を再確認した。「仮面ライダーは永遠のヒーローです。自分自身もオダギリジョーさんを見て『仮面ライダークウガだ!』と思いますし、同じようにネクロムを見て好きになってくださった方が、8年経った今もこうして応援してくださるのはすごく嬉しいです。仮面ライダーの力はすごいと改めて感じました」
「ゴースト」出演後も、東映の特撮作品が放送される日曜日の朝(ニチアサ)はチェックしているという。「朝早く起きた時は、現在の 『ギーツ』もそうですし、『リバイス』 『セイバー』なども気になって観ていました。今はどんな俳優さんが演じているのか、どんなギミックで変身するのかチェックしています」
2021年には「仮面ライダーセイバー」「仮面ライダーゴースト」のコラボレーション作品が制作され、アランの妻・深海カノン(工藤美桜)が仮面ライダーカノンスペクターに変身した。変身後の姿を目撃した磯村は「夫婦で戦っている感じがして嬉しいですね。彼女は、当時から変身する素質がありました。アランは結婚した段階から彼女をトレーニングをさせていたので、いい感じに強くなってくれてよかったと思います」と笑顔を見せた。
興奮と緊張で手が震えた初変身
磯村が初めて仮面ライダーネクロムに変身したのは、テレビシリーズ第16話「完璧!白い仮面ライダー!」。人生初の変身ということもあり、撮影当時はかなり緊張していたと明かす。「アイコンを押す様子を下からカメラで撮るシーンがあったのですが、初めて変身できる嬉しさもあり、興奮と緊張で手がすごく震えてしまったんです。眼魂を出して押すだけの作業で何十テイクも重ねてしまい、本当に迷惑をかけたことが初変身の思い出です」
ストーリーが進むにつれて、タケルやマコトとの同時変身も増えていった。「同時変身は、三人で息を合わせて『変身!』と言わなければならないので、最初の頃は誰が引っ張っていくのか、探り探りで演じていました。変身ポーズもそれぞれ違うので、マコトは短縮版でやってみたり、自分は少し早めに変身までの構えを取ってみたり、三人で調整しながら撮影していました」
幼少期からヒーローに憧れ、変身へのロマンを抱いていた磯村。「変身は大人になってもおじいちゃんになっても憧れであり、変身するということはいつまでも追い続けることだと思います。誰もが変身して、今の自分よりも強くなりたい、今よりも魅力的になりたいと感じているはず。そういった憧れが変身には詰まっています」と力を込めた。
フミ婆・大方斐紗子の演技に助けられた
眼魔世界から追放されたアランは、人間たちから命の尊さを学んでいく。特に、たこ焼き屋「フーミン」の店主“フミ婆”こと福嶋フミ(大方斐紗子)は、アランの物語を語るには欠かせない存在だ。
「大方さんはいつも笑顔で『おはよう』とあいさつしてくださいました。佇まいは温かくどこか悲しさもあり、たこ焼きを焼いている時は強くて、見ているだけで心が動かされました。大方さんのお芝居にアランは助けてもらえましたし、俳優としてもずっと大方さんの姿を見ていました」
第30話「永遠!心の叫び!」では、フミ婆との別れも描かれた。「アランが変わるエピソードで、物語においても重要な展開だったので、台本をいただいてから、アラン自身もそうですし、青空を見上げるカットなども、どういう作り方をしていったらいいのか考えていました。難しい回だったからこそ、試行錯誤しながらのトライでした」
「THE仮面ライダー展」では、「仮面ライダーゴースト」で使用された衣装やアイテムが多数展示されている。中には、リアルタイムで観ていなかった子供たちが、展示会で初めて作品に触れることもあるだろう。
「仮面ライダー1号や仮面ライダーBLACKも直撃世代ではありませんが、父親や自分より年上の方から話を聞いて、興味を持って触れていました」と振り返った磯村。「ヒーローは後世に残る存在。ゴーストも同じように、令和や次の時代に語り継がれてほしいですし、未来の子供たちも『面白い格好のライダーがいる』というところから好きになってほしい。そういったきっかけが、今回の展示会にはたくさん詰まっています」とアピールしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
「生誕50周年記念 THE 仮面ライダー展」静岡会場は5月7日まで静岡市清水文化会館マリナート1階ギャラリーにて開催中