映画『マリオ』世界で大ヒット 任天堂・宮本茂、目指したのはゲーム好きを「裏切らないこと」
18日、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(4月28日公開)のジャパンプレミアがTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、マリオの生みの親である宮本茂(任天堂株式会社 代表取締役フェロー)が、来日中のクリス・メレダンドリ(イルミネーション最高経営責任者)と共に出席。映画制作において、「ゲームが大好きな人を裏切らないこと、そしてゲームをやったことがない人も楽しめるようにすること」を常に心がけていたと明かした。この日は、アンバサダーの西野七瀬と、マリオファン代表ゲストとしてよゐこ(濱口優、有野晋哉)も出席した。
【動画】カラフルで楽しい!『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』予告編
任天堂が『ミニオンズ』シリーズのイルミネーションとタッグを組み、大ヒットゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の世界観を3Dアニメーションで映画化した本作。すでに北米など世界各国で公開されており、世界興行収入は6億9,296万8,890ドル(約901億円)を記録。累計興収10億ドル(約1,300億円)突破が現実味を帯びてきた。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル130円計算)
映画の特大ヒットに、宮本は「僕にとってこの作品はアニメーションデビュー作。こんな派手な結果で初めてを飾らせてもらっていいのでしょうか」と驚きと喜びが入り混じったような表情を見せると、クリスも「この作品で任天堂さまとパートナーを組めたことが光栄です。個人的にも宮本さんとご一緒できて嬉しく思います」と笑顔で答える。
宮本とクリスが出会ったのは10年ほど前。宮本は「お会いしたときに、僕のゲームの作り方とクリスさんの映画の作り方が似ているなと思ったんです。一緒に映画を作ったら面白いなと思いました」と本作のきっかけとなった出来事を明かし、「企画当初は、どんな作品になるのか心配していました。40年前に8ビットで書いていたキャラクターが、NINTENDO64で3Dに進化しましたが、それでもパペットのようだった。でも出来上がった作品を観て、今回ようやく人間になりました」と感無量な表情を浮かべた。
本作のアンバサダーに就任した西野は、いち早く映画を鑑賞。「迫力、臨場感、没入感がすごかった」と興奮気味に語り、「いろいろな情報が詰まっていて、一度では追いきれない」と奥行きのある作品であることを強調する。西野の言葉を聞いた宮本は、「いいことをおっしゃる」と笑顔を見せ、「音楽もすごいです。いろいろなゲームの音楽が所々に散りばめられています」と胸を張る。
さらに宮本は、「ゲームが大好な人を裏切らないこと、そしてゲームをやったことがない人も楽しめるようにすること」とこだわりを明かすと、クリスも「宮本さん、任天堂チームと、デザイン、設計、アニメーション、ストーリー、音楽とすべてのことを話し合いました。みんなが一丸となって細部にまでこだわりました」と自信をのぞかせていた。
映画は、日本でも10日後に公開となる。宮本は「やっとこの日が来ました。ゲームを知っている人も知らない人も、家族で来て1時間半『楽しかったね』と思える体験をしていただきたいです」と作品への思いを語っていた。(磯部正和)